メインビジュアル【アンビバレンス】
今回は、卒業制作で制作した『“私”による翻訳』という冊子の表紙のビジュアルについて、解説していこうと思う。
冊子についての解説はこちら▼
このビジュアルのタイトルは「アンビバレンス」。
「同一の対象に対して、相反する感情を同時に抱くこと」という意味だ。
私は恋愛において、自分の中に「相反する感情」を持ち合わせており、それによって生まれる「葛藤」が数多く存在する。
「アンビバレンス」というタイトルで、「自分」という1つの存在の中に併せ持つ「相反する感情」を表していった。
明るい色と暗い色、澄んだ色と濁った色、暖かい色と冷たい色。
それらが混ざり合うことで、「私」という存在を構築している。
ビジュアルに使用した文章は、すべて冊子の内容からピックアップしたものである。
「もう恋なんてしたくない」と思うが、「恋をしていた頃の自分に戻りたい」とも思ってしまう。
「この人を好きになって良かった」と思うが、「この人を好きにならなければ良かった」とも思ってしまう。
幸せなことがあると、「これだけで一生生きていけそう」と思うが、「今死んでもいいな」とも思う。
失恋後、「恋愛感情を消してしまいたい」と思うが、「いっそのこと最後まで好きでいたい」とも思う。
好きな人に、「想いを伝えたい」と思うが、「想いを伝えずにいたい」とも思う。
好きな人に会えない時の「辛さ」と、会えた時の「幸せ」が、無限ループする。
失恋後、好きな人と「ずっと関係を切らずにいたい」と思うが、「今後一切関わりたくない」とも思う。
失恋後、「もう全然好きではない」という時期と、「やっぱりまだ好き」という時期が交互に来る。
好きな人の良さを、「周りの人にも知って欲しい」と思うが、「誰にも知られたくはない」とも思う。