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生と死を見つめて

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#鬱

こんな世界はぜんぶ嘘だから

こんな世界はぜんぶ嘘だから

「こんな世界、ぜんぶ嘘なんだよ、始めからぜんぶ無かったんだよ、きっとただの悪い夢なんだよ」

この言葉を自分に言い聞かせ、何度、この現実から逃れたい、あの雲の上に消えてしまいたいと思っただろう。何度、「自分に正直に生きたかった、でも正直に生きれませんでした」と後悔しただろう。

目を閉じても息が上がってしまって呼吸が苦しくて眠れない。薬を何錠飲んでも直ぐに寝付くことが出来ない。

布団の中で冷えた

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あの日、

あの日、

『いわば、もうひとつの誕生日だ。自閉症スペクトラムと診断された。』

丁度一年前の日記には、それだけが記されていた。

大嫌いな自分以外の何者かになれなくて、皆と同じことが出来なくて、普通になれなくて。

精神科の診察室で診断名を告げられたその日から、今まで、永遠に苦しむものだと割り切っていた生きづらさを、認められたような気がした。

こわばっていた心が、瞬く間に溶けた。

「もう、無理しなくてい

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精神科閉鎖病棟に入院した話

精神科閉鎖病棟に入院した話

このnoteでは、初めて精神科へ入院する方や、閉鎖病棟の実態が知りたい方のためにも記録しておく。あくまでわたしの入院した病院の経験上なので、注意してほしい。

きっかけ「死にたくなるの?じゃあ、入院して治療してみようか」という主治医の一言で、9月9日から1週間ほど精神科の閉鎖病棟に入院していた。

その数日前から希死念慮が増してきて、あぁ、このままじゃまた自分が駄目になる、自殺衝動を起こしかねない

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過去への憧憬

不意に、高校時代への懐古が止まらなくなるときがある。

前進していく彼(高校の同級生)とは対照的に、私だけが思い出の中に取り残されている。

今だに、心の中の奥底に、約半年前に卒業した高校時代への憧憬が残っている。

高校時代なんて、心身の辛さを理解してくれない家族、人格否定されて育ち、思い出したくもない程辛いことだらけだった。

しかし、暗い日常の中にも、大好きな友人との会話や、一筋の光のように

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「もう頑張らなくていいんだよ」と言われた日

「もう頑張らなくていいんだよ」と言われた日

お久しぶりです。今回は私の挫折と病気について書きます。

自殺未遂から生還し、退院し、発達障害自閉症スペクトラムが発覚し、2020年春。私は第一希望の大学へ入学した。

私は絵を描くこと、デザインすることが大好きだったのでデザイン系の学部へ入学した。

期待と不安に胸がいっぱいだった。入学式までは期待が上回っていたと思う。

だが、その期待は見事に打ち砕かれることとなる。

慣れない新生活初めて実

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