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「もう頑張らなくていいんだよ」と言われた日

お久しぶりです。今回は私の挫折と病気について書きます。

自殺未遂から生還し、退院し、発達障害自閉症スペクトラムが発覚し、2020年春。私は第一希望の大学へ入学した。

私は絵を描くこと、デザインすることが大好きだったのでデザイン系の学部へ入学した。

期待と不安に胸がいっぱいだった。入学式までは期待が上回っていたと思う。

だが、その期待は見事に打ち砕かれることとなる。

慣れない新生活

初めて実家を出て下宿生活に大学生活。友達も出来ず慣れない環境にただただ不安だった。ここまでは誰もが同じかもしれない。

だが、朝起きると体が動かなくなっていた。まるで高校時代のあの日のように。大卒資格を得て絵の関係の仕事に就くという目的を成し遂げるべく入学した自分のため、入学金を払ってくれた親のため。無理やりにでも、体が動く日は学校に行っていた。

息の仕方が分からなくなった

過呼吸だ。入学して、コロナ休校を挟み学校が再開したと思ったら、突然、授業中に息が苦しくなり、理由のない涙が溢れる。大学のトイレに逃げ込む。精神安定剤を貪る。そこには高校時代から何一つ変わっていない私がいた。あれだけ変わりたいと決意したのにも関わらず。

希死念慮、自殺衝動、絵が描けない

それはあるよく晴れた日だったと思う。大学からの帰り道のこと。このまま周囲に障害がバレないかと怯え、精神科に通い薬を飲んでまで、大学へ行く理由が分からなくなった。いつの間にかとめどなく涙が出てきた。その頃からだったと思う。下宿の2階から飛び降りそうになったりオーバードーズや過食を繰り返すようになってしまった。

さらに私を苦しめたのは、希死念慮は勿論、絵が描けなくなったり、本が読めなくなったことだった。元々、絵を描くことや読書が大好きなのだがそれすら出来ない。また、文章を書くことも頭が全く回らず出来ない。(noteを更新しなかったのもそのせい)こんな自分なら要らない、と何度も嘆いた。

休養と抗うつ薬

精神科でそのまま思いの丈を打ち明けた結果、典型的な鬱とのことだった。そして実家に戻り休養をすることになった。幸い、発達障害が発覚してからは両親は理解を示そうとしてくれて、温かく見守ってくれている。弟からの心ない何気無い言葉に胸が痛むこともしばしばあるが、仕方ない事だと思う。義務教育真っ只中で1番大変な時期の彼からしたらズル休みにしか見えないだろうから。

抗うつ薬の効果は凄まじく、飲み始めて5日ほどはずっと寝ていられるくらい眠気があった。それでも元気になれるなら、楽になれるなら、と飲みたくもないけれど増えていく薬を飲み続けた。

神様は時に意地悪だ。

しかし、期待した薬の効果は得られず、療養を終え大学に戻ると、またすぐに鬱が再発した。希死念慮、自殺衝動、何もしたくない。治まらない幻聴。朝起きても体が動かず学校に行けない。次々にスマホに送られてくる課題が怖かった。薬を多く飲み頭をぼやけさせた。下宿で1人弱っていく自分に対して、カーテンの隙間からのぞく初夏の空はとても澄んでいた。

それから間もなく、言うまでもなくまた自宅送還、療養となる。

人生の選択

そんな私に、大学の休学を医者と大学の先生から提案された。勿論そんなことは自分でも分かっていた。悩みに悩んだ。休学期間を終え、気の許せる人が誰一人いない中大学に通えるか、高校時代死にものぐるいでデッサンやボランティア、勉学に励み進学した大学だが、鬱になってまで続けられるか。単位を取り4年で卒業できるか。4年後抱えることになる莫大な額の奨学金という名の借金など。色んなことが頭の中を駆け巡った。

その結果、大学を辞めるといった決断に至った。

どうして私が

自分でも気付かずうちに無理に無理を重ね、鬱を発症したということが未だに許せない。どうして私が。私に限って。私に、もう頑張らなくていいんだよ、無理をしなくていいんだよ、と両親は告げた。何をしても「あなたは無理をしている」と嘲笑されているようで悲しい。

そうか。「大学へ行く」という行為自体が、私にとっての「無理をしている」ことだったのだ。鬱になってやっと認めることが出来た。

これから

今年の冬にまた手術を控えていることもあり、今年1年は実家で過ごし鬱の療養に専念することにした。現在は段々と気持ちは落ち着いてきて絵も描けてはいるが、希死念慮に苦しめられる夜も少なくない。

「人生は何事もなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短い。」という中島敦の言葉がある。私はこのまま何事もなさないままで過ごすのだろうか。それは嫌だ。このまま惰眠を貪るような生活はしたくないと戒める気持ちと、薬の副作用で思うように動けない己の体を憎むばかりだ。

あれだけ期待していた新生活。待っていたのは鬱病。

人生、本当に何があるかわからないものだ。







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