過去への憧憬

不意に、高校時代への懐古が止まらなくなるときがある。

前進していく彼(高校の同級生)とは対照的に、私だけが思い出の中に取り残されている。

今だに、心の中の奥底に、約半年前に卒業した高校時代への憧憬が残っている。

高校時代なんて、心身の辛さを理解してくれない家族、人格否定されて育ち、思い出したくもない程辛いことだらけだった。

しかし、暗い日常の中にも、大好きな友人との会話や、一筋の光のように夢があった。「大好きな初音ミクのイベントに参加したい、イラストの仕事をしたい、充実した大学生活を送りたい」など。

いつか、いつかとどんなに願って祈って過ごしただろう。ひとつも叶えられていない。残ったのは障害と病気で薬漬けにされた体ひとつ。

時間という魔法のせいで過去の傷が癒えた頃、愛おしい思い出だけが心の中に残って、毒になる。思い出は美化されるとよく言われるが、毒にも成りうる。過去に苦しめられるからだ。

鬱病、発達障害、統合失調、夢に負けたという、現実から目を背けたいがために、過去を愛おしんでいるだけだ。

「今」を愛せない。逃げ出したい。

「未来」から逃げるために死のうとしたあの日の
ように。

https://note.com/neneko_miku/n/nd46802c3231f






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