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英語学習の心のハードルを低くしてくれた、人生で3つのタイミング

英語を話すって難しい。
ちゃんとした単語と文法じゃないと伝わらないし、変だと思われちゃう。

完璧主義な私はずっとそう思い、英語が好きなのに人前で話すのはいつも苦手だった。

そんな私が、「英語ってこんな簡単な表現でいいんだ、伝わるんだ!」とびびっと衝撃を受けた瞬間が3回あった。

そのタイミングは、「英語 “な” 環境で、英語 “で” 勉強したい」という夢を叶えるためアメリカ留学を実現させた後も、留学先の大学を卒業して英語 “を” 使って仕事を始めてからもずっと私を勇気づけてくれている。

この子、野良犬だよ

人生初のびびっときた瞬間は、高校時代だ。
韓国へ研修旅行という名の修学旅行へ行った時。

旅程の1つに、外国語学校(高校)の訪問があった。
同い年の韓国の高校生2名と日本人2名がチームになり、校内を案内してくれたり一緒に食事をとりながら2日間交流を深めるというもの。

校内に寮を完備しているだけあって広い敷地を探索していた時。
白くて控えめなわんちゃんが少し先の日本庭園風の庭から顔を覗かせていた。

あ、かわいい!そう言ってゆっくり近づいていこうとする日本人の私たちに、韓国の高校生たちが言った。

He doesn’t have owner!

その子、野良犬であまり人に慣れていないから近づかない方がいいよ! と警告してくれたのだ。

“Doesn’t have owner” の部分が私にとって衝撃だった。

私だったら、「野良犬だよ」というのをそのまま直訳するために、必死に「野良犬」というワードを頭の辞書で探し、思いつかずにもぞもぞしたあげく結局何も伝えない、ということをしていたに違いない。

でも韓国の子たちは、「オーナーを持っていない」という風に言い換えた。

その文章なら私にも文法も単語もできるぞ...!

伝えたいことがあった時に、その伝え方 = 表現は1つの正解しかないわけじゃなく、自分の持っている語彙を紡いで伝えることが大事。そんなことを教わった出来事だった。

修飾しています

2つ目のびびっとエピソードは、高校卒業後に通った学校の時。

高校在学中に、日本の大学ではなく海外大学へ正規で進学することはすでに決まっていた。
しかし、留学について何の知識も経験もなかったので、まずは最低限の準備が必要だろうと、留学先で生き残って行くためのイロハを学ぶ学校へと1年通っていた。

そこで英語で書くエッセイについてアメリカ人の先生から授業を受けていた時のこと。

正確な文章は覚えていないが、ここでは

A dog which I have taken care of since I was 7 years old. としておこう。

先生が「Which は何のためにあるの?」と私たち生徒に尋ねた。

私はとっさに頭の中で「修飾」と答えた。中学や高校の英語の時間に答えたやつだ、Whichは修飾語。

あれ、「修飾」って英語で何ていうんだ?

授業中は日本語は禁止。
(アメリカやカナダの先生が授業をしてくれていて、彼らは日本在住歴が長く日本語もばりばりわかるがしっかり日本語が理解できないふりをしてくれていた。)

わかるけど、英語で言えない… そのまま少しの沈黙が教室に流れた。

そして1人の生徒がふっと答えた。

”explain”

先生は満足そうに「そうだね、dogをexplainしているね」とうんうんとうなずいて言った。

あ、そうか、修飾 = 説明 = explain か...!

私は「修飾」という単語を英語に直訳することにこだわっていた自分に気づいた。
というよりも、そもそも修飾という言葉の意味をきちんとわかっていなかったのだ。

野良犬 = don’t have owner 同様に、自分が伝えたいことを自分が知っていることばで表現することの大切さを痛感した2回目の出来事だった。

Just for expression 

3回目のびびっとエピソードはマレーシアにて。

アメリカの大学に留学中、冬休みを利用して約3週間ほどマレーシアの首都クアラルンプールでインターンを行った。

インターン先の会社は日本人の大学生を何度も受け入れたこともあり、日本人にもとってもフレンドリー。
そしてマレーシアへ来て間もない私に、社員さんが休日にマレーシアの観光名所へと案内もしてくれた。

観光中、せっかくだからとムスリムの方が身につける肌の隠れる服と、頭髪を隠すための布(ヒジャブ)を購入した。

購入後にさっそくヒジャブを手伝ってもらいながら身につけてみた。

ムスリムの社員さんは、自分たちの宗教に積極的に関心を持って理解しようとする姿をすごく嬉しがってくれ、何度も「いいね、素敵だよ」と声をかけてくれた。

ヒジャブを巻き、ピンで固定してもらった。
どうやらピンにもいろんな種類があるらしい。
(ネットで調べてみるだけでも、ピアスと同じくらいの種類がある気がする)

そしてヒジャブの巻き方にあわせてピンの留め方も異なるそう(うろ覚え)

どうしてこんなにいろんな種類があるの?
どうしてこんな留め方をするの?

素朴な疑問をぶつけて困らせてしまうかと思ったが、ムスリムの彼女は堂々と答えてくれた

“Just for expression!”

おお、そうか、自分を表現しているのか...!

日本人は男性も女性も髪の毛を隠さない場合、ワックスやアイロンを使いながらいろんな髪型を楽しむ。

それは服装やイベントに合わせて自由自在に。

それと同じことを、ムスリムの方はヒジャブで行っているのか..!

そしてそれは “Expression”なのだ!

私がもし「どうしてその髪型をするの?」と聞かれたら何と答えるのがベストかなと考えたが、やはり自分を表現したいから、が一番の答えかなと思う。

おわり

ネイティブとか、ネイティブじゃないとか、何歳だとか、そんなことに関係なく自分が操ることのできる表現を使って相手に伝える、そんな簡単だけどコミュニケーションにおいて大切なことを3つのタイミングでいろんな人から教えてもらった。

この「びびっと」きた瞬間のことは、これからも抱きしめて会話を楽しんでいきたいと思う。

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nekoyan
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