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仏教

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#連載

ブッダが目覚めた「縁起」とは何か? 『ブッダが説いた幸せな生き方』③

ブッダが目覚めた「縁起」とは何か? 『ブッダが説いた幸せな生き方』③

前回の記事では、『ブッダが説いた幸せな生き方』(岩波新書)のなかで、著者の今枝由郎氏が、

「(一)条件付けられた生起(縁起)としての苦しみ」
「(二)ものごとの移ろい(無常)による苦しみ」

は、「苦しみの両面と見なしたほうがいい」と指摘しており、その点は、「ドゥッカ」(苦)の本質を考えるうえで非常に重要であると述べました。

では、「条件付けられた生起(縁起)」とは何でしょうか?

「縁起」に

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ブッダのいう「苦」は何を意味するのか?【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】⑩

ブッダのいう「苦」は何を意味するのか?【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】⑩

こころが抱える悩み苦しみや生きづらさを少しでも解消していくために、ブッダの教えや原始仏教(初期仏教)について書いています。

前回はブッダの重要な教え「無常・苦・無我」のうち、「無我」を取り上げました。今回は「苦」についてです。

「無常・苦・無我」(三相、三法印)のうちの「苦」とは、以前のnoteで先述いたしました、「苦諦」の「苦」(ドゥッカ)であり、つらいことや不満足だけではなく、快楽なども含

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ブッダの重要な教え「無常」とは?【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】⑧

ブッダの重要な教え「無常」とは?【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】⑧

最初に苦しみの矢を抜き、心のストレスや生きづらさを少しでも減らしていくために、ブッダの教えや原始仏教について書いています。

前回noteでは「慈悲」について書きましたが、ブッダの重要な教えとしてはほかに「三相」や「三法印」と呼ばれる「無常・苦・無我」があります。

「諸行無常」「一切皆苦」「諸法無我」という言葉のどれかを、これまで一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、この三つは、世界の見方、

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心の苦しみ/脳ストレスを生み出す原因<三毒>「痴(ち)」とは? 【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】⑥

心の苦しみ/脳ストレスを生み出す原因<三毒>「痴(ち)」とは? 【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】⑥

「おうち時間」「ステイホーム」を利用して、ブッダの教えや原始仏教について真摯に学び実践してみることは、心の苦しみを減らし、心を成長させるための有意義な時間の過ごし方であるように思います。

前回noteでは、心の苦しみ/脳ストレスを生み出す原因「貪・瞋・痴(とん・じん・ち)」のうち、「瞋」(怒り)について述べました。

今回は「痴(癡)」についてです。

三毒のうちの「痴(ち)」とは、無知や妄想、

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心の苦しみ/脳ストレスを生み出す原因<三毒>「瞋(じん)」とは? 【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】⑤

心の苦しみ/脳ストレスを生み出す原因<三毒>「瞋(じん)」とは? 【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】⑤

「ステイホーム」や「おうち時間」を利用して、ブッダの教えや原始仏教について学んでみることは、心を成長させるための有意義な時間の過ごし方であるように思います。

前回noteでは、心の苦しみ/脳ストレスを生み出す原因「貪・瞋・痴(とん・じん・ち)」のうち、「貪」について述べました。

今回は二つ目の「瞋(じん)」についてです。

「瞋(じん)」とは、「瞋恚(しんに)」、すなわち「怒り」のことです。

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心の苦しみ/脳ストレスを生み出す原因<三毒>「貪(とん)」とは? 【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】④

心の苦しみ/脳ストレスを生み出す原因<三毒>「貪(とん)」とは? 【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】④

苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らすために、これまでブッダの重要な教えである「四聖諦」「八正道」「縁起」について述べてきました。

今回は、「貪・瞋・痴(とん・じん・ち)」という三毒についてです。

現代でいう「脳ストレス」、広い意味での「苦しみ(ドゥッカ)」を生み出してしまう主な原因としては、仏教で「三毒」と呼ばれている「貪・瞋・痴」(とん・じん・ち)があります。

「貪」とは「貪欲(とん

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ブッダの基本的な教え<縁起>とは? 【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】③

ブッダの基本的な教え<縁起>とは? 【苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らす生き方】③

苦しみの矢をまず抜いて心のストレスを減らすために、これまでブッダが説いた基本的な教えである「四聖諦」と「八正道」について述べてきました。

ブッダの重要な教えとしては、ほかに「縁起」があります。

日本ではよく、良いことが起こりそうな様子を見ると「縁起がいい」、不吉な言葉を耳にすると「縁起でもない」と言うことがありますが、吉兆に関するこの「縁起」という言葉自体は仏教から来ています。

仏教のいう「

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