東雲そら

小説と詩を投稿しています。貴方にとって心揺れるような、そんな文字を綴りたいと思います。

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小説と詩を投稿しています。貴方にとって心揺れるような、そんな文字を綴りたいと思います。

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  • 藍色の空と君と

    小説と詩の混合作。 ブルーアワーを撮る君に惹かれた僕は目を擦り空を仰いだ。綺麗な空が1日に何度も色を変える。 素敵な事実を教えてくれた君に僕は何かを届けたいと思い…

  • 素敵なコンテンツの集い

    素敵な記事を勝手ながら集めさせていただきます! いつも心が揺れるような投稿をありがとうございます(´∀`*) 迷惑でしたらお手数ですがお声がけいただけると幸いです🙇‍♂️

記事一覧

【ショートショート】七夕とハンバーガー

 猛暑が跋扈する世界。中学2年生の少年は常備品にあたるティッシュとウェットティッシュ、絆創膏に加えて季節柄日焼け止めと制汗剤をバッグに詰め込む。夕方、最寄駅から…

東雲そら
2週間前
9

2023年の振り返り

 皆さまご無沙汰しています。東雲です。速いもので気付けば大晦日になっていまして。題名に沿って今年を振り返ります。  5月までは月に1回以上投稿、次は8月に1回投稿、…

東雲そら
6か月前
13

もう一つの七夕

「好きだよ、8月8日」 「僕も、7月7日を片時も離したくないと思っている」 ∞の可能性に満ちた8月8日は7月7日の傍らから離れず、7月7日もつられて地上から届く祈りを放棄し…

東雲そら
11か月前
10

思い出すは木漏れ日

木漏れ日に憧れ 梢と梢の間に生えるささやかな光 陽射しが強い某日 あなたは意味もなくそれを眺めていた 意味のない 無駄な行動だと思いながら 意図のある 心の豊かさの…

東雲そら
1年前
22

空白の4月

 今日は4月30日。ここ1ヶ月、とても退屈だった。体感、8月31日を90回繰り返されているような心地。ことの顛末を振り返ろう。  3月末で最終出勤日を迎えた。有休は20日以…

東雲そら
1年前
44

実感と痛感

 時計の針が17時15分を指した。18時に定時を迎えても残業がスタンダードなこの職場。人が退職するとなると、上長の一言で手が止まる。  「えー、皆さん、遠くの島にいる…

東雲そら
1年前
29

3年経ちました

東雲そら
1年前
12

透明が存在する2月

 21時。もう寝る時間だ。パジャマに着替えたから残すはベッドに横たわるのみ。ローズマリーのアロマを部屋中に満たした。このルーティーンを経過したのだ。今日も眠りにつ…

東雲そら
1年前
19

月末もいいところですが遅ればせながらあけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

東雲そら
1年前
9

冬の朝

リリック 君の唯一の詩を思い出した 重さを伴わない涼しい朝に とても嬉しそうに語る表情 普段より流暢になり火山灰 冷気は最果てへと光速転移 理解できない余白が今もあ…

東雲そら
1年前
18

2022年(以前)の振り返り

 こんにちは。東雲です。2022年もあと少しで終わりを迎える中、今年の振り返りをします。まずは作風から。  遡ること2022年を兎のように飛び越えて2021年9月。ペンネー…

東雲そら
1年前
19

おし相撲

おしてひいておす バランスを崩して整えておす 遠ざかって目を見て 掌を重ねようとして 重心が傾き前屈み 敗北に帰す 体格が全てではない 華やかさやしなやかさ 持ち合わ…

東雲そら
1年前
12

就寝までの攻防戦

午前0時 ねるのよゆー 午前1時 もうちょっと動画みよ 午前2時 もうねるか 午前2時30分 寝れないね? 午前3時 なんだ、緊張してるのかな。 午前4時 今から寝れば挽回で…

東雲そら
1年前
21

うとうと

うとうと眠たくて 今日は早めに眠ろうか 明日も明後日も続く 就寝前の読書 この本には思い入れがある 尊敬している人が教えてくれた ペパーミントのアロマ 部屋中に満た…

東雲そら
1年前
22

9月 君が知らない君

10畳の部屋には夕陽の光芒らしき光の筋が映えており、限りなく海に似た青が地面に塗られている。住人の空想が部屋の背景に反映される。9月29日が住む世界は特殊である。愛…

東雲そら
1年前
32

おやすみの詩

目を瞑ってね 眠れなくってね 身体を90°動かすの それでも何も変わらない 冷蔵庫を開けては閉じる 星は瞬き 瞬きしているのは自分 熱もないのに水枕 不安も退屈も冷や…

東雲そら
1年前
19

【ショートショート】七夕とハンバーガー

 猛暑が跋扈する世界。中学2年生の少年は常備品にあたるティッシュとウェットティッシュ、絆創膏に加えて季節柄日焼け止めと制汗剤をバッグに詰め込む。夕方、最寄駅から幾つか離れた駅に降りた。待ち合わせ場所にいる背丈の高い少女を見つけた。

 「お待たせ。もう着いていたんだ」
 「遅刻に慣れたくないからね」

 少女は有り体に言えば、美人であった。中学生とは思えないほど大人びた目つきに程よくシャープな輪郭

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2023年の振り返り

 皆さまご無沙汰しています。東雲です。速いもので気付けば大晦日になっていまして。題名に沿って今年を振り返ります。

 5月までは月に1回以上投稿、次は8月に1回投稿、小説と詩に限定しますと6回投稿しています。読んでくださった皆様、ありがとうございます。

 2022年は月に1回以上投稿していまして2023年は前年比50%以下の投稿回数になります。6月以降、投稿回数が減った背景の説明をします。特に背

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もう一つの七夕

「好きだよ、8月8日」
「僕も、7月7日を片時も離したくないと思っている」
∞の可能性に満ちた8月8日は7月7日の傍らから離れず、7月7日もつられて地上から届く祈りを放棄し、天の怒りにより8月8日は6月9日と9月6日に分割された。
7月7日の24時間のみ、8月8日に戻ることが許されるようになった。
#七夕 #創作 #140字小説

思い出すは木漏れ日

木漏れ日に憧れ
梢と梢の間に生えるささやかな光

陽射しが強い某日
あなたは意味もなくそれを眺めていた

意味のない
無駄な行動だと思いながら

意図のある
心の豊かさの表れだと確信した

季節が巡り
不可欠なものが増えていく中
ささやかなそれの有り難みを忘却していた

降り注ぐ雨は掌に支えられている
スマホ画面に直撃し変色した

自然世界に輝く光
光芒 星彩 月光
そして

平日の真昼
意味もな

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空白の4月

 今日は4月30日。ここ1ヶ月、とても退屈だった。体感、8月31日を90回繰り返されているような心地。ことの顛末を振り返ろう。

 3月末で最終出勤日を迎えた。有休は20日以上残っていて、4月の各平日に振り、1ヶ月丸ごと休んだ。そして明日から転職先で働く。

 1ヶ月休むのが決まった時点では喜びと解放感に満ち溢れていた。権利行使による無職生活を楽しんでやろうと思ったからだ。

 4月1週目水曜日。

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実感と痛感

 時計の針が17時15分を指した。18時に定時を迎えても残業がスタンダードなこの職場。人が退職するとなると、上長の一言で手が止まる。
 「えー、皆さん、遠くの島にいる方もこちらに寄ってください。本日付けで朝倉君が退職します」
 朝倉。僕より3年先輩の名字だ。今日が年度末で、おそらくは1年で最も退職者が多い日であろう。所長から朝倉先輩への感謝の言葉に頷き、スピーチを委ねられた。

 「皆さま、お忙し

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透明が存在する2月

 21時。もう寝る時間だ。パジャマに着替えたから残すはベッドに横たわるのみ。ローズマリーのアロマを部屋中に満たした。このルーティーンを経過したのだ。今日も眠りにつく。何も寂しいことはない。ベッドへ足を伸ばそうとした瞬間、インターホンの音が聴こえた。モニター越しに相手を確認した。僕よりあからさまに高い背丈を有する、彼は2月28日だ。ドアノブに手を伸ばし彼と対面した。
 「こんばんは。今日もおねむの時

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月末もいいところですが遅ればせながらあけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

冬の朝

リリック
君の唯一の詩を思い出した
重さを伴わない涼しい朝に

とても嬉しそうに語る表情
普段より流暢になり火山灰
冷気は最果てへと光速転移

理解できない余白が今もあって
思議と不思議の意味を改めて辞書で引いた

ベッドメイクをして洗顔して
パンを食んで朝一のニュースをチェックする
髪を整えて外に出る

冬の朝の静けさに包まれ考えても脳内未記入
定型的答え合わせは要らない

ずっと保管したいだけ

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2022年(以前)の振り返り

 こんにちは。東雲です。2022年もあと少しで終わりを迎える中、今年の振り返りをします。まずは作風から。

 遡ること2022年を兎のように飛び越えて2021年9月。ペンネームに「そら」を入れているものの、室外描写に頼りすぎではと自問しまして。風が吹いて、陽光が届いて、時折降り注ぐ雨に頼り過ぎていると思った次第、2021年10月から意識的に室内描写をするようになりましたね。

しかし悲しいかな、こ

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おし相撲

おしてひいておす
バランスを崩して整えておす

遠ざかって目を見て
掌を重ねようとして
重心が傾き前屈み
敗北に帰す

体格が全てではない
華やかさやしなやかさ
持ち合わせた君の強さ

この1mの歪んだ距離
思い出も希望も詰まって
ここだけが四次元空間みたい
#詩 #ポエム #自由詩 #創作

就寝までの攻防戦

午前0時
ねるのよゆー

午前1時
もうちょっと動画みよ

午前2時
もうねるか

午前2時30分
寝れないね?

午前3時
なんだ、緊張してるのかな。

午前4時
今から寝れば挽回できる。挽回ってなんだっけ?

午前5時
スズメさん、おはよ

午前5時30分
寝ないと気持ち寒いね

午前6時
今、分かった気がする、そもそもどう、バタっ

……

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……

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うとうと

うとうと眠たくて
今日は早めに眠ろうか
明日も明後日も続く

就寝前の読書
この本には思い入れがある
尊敬している人が教えてくれた

ペパーミントのアロマ
部屋中に満たして

ゆっくりと目を瞑る
明日も太陽が昇る

二度とない今日にさよなら
また明日
#眠れない夜に #ポエム #自由詩 #詩 #睡眠

9月 君が知らない君

10畳の部屋には夕陽の光芒らしき光の筋が映えており、限りなく海に似た青が地面に塗られている。住人の空想が部屋の背景に反映される。9月29日が住む世界は特殊である。愛書を開き静かな時間を過ごそうと思った矢先、コンコンと、ノック音が響く。

「どうぞ」

優しい声色に促されるまま、一人入室した。9月29日とは近しい存在の9月30日だ。

「お邪魔します」
「こんにちは、9月30日」

言わずもがな、9

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おやすみの詩

目を瞑ってね
眠れなくってね
身体を90°動かすの

それでも何も変わらない
冷蔵庫を開けては閉じる

星は瞬き
瞬きしているのは自分

熱もないのに水枕
不安も退屈も冷やして
優しい記憶が蘇る

窓を開けて網戸越しに聞こえる
風、走行音、猫の鳴き声

夜は明ける
否応なく

消えない痛みも
尽きない悩みも
いつかは深い場所に埋まる

胸に手を当ててさする
息を吸ってそして吐く

目を瞑るだけでい

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