「がんばろう」と、声をかけられるのも、励まされるのも、自分を気にかけてくれているようで、嬉しい。 でも、自分、今まで結構がんばってきたと思うんだよね。 いつまで、がんばればいいんだろう? それよりは、この頑張りを認めてくれない? 結局、どこまで行っても、自分は一人。
君は白球を追いかけた。 「野球じゃなくて、サッカーなんだけど」 「ボールは白い面が多いし、遠くから見たら白球でしょ?」 延長の末、2対1で試合に勝利した。 「シュートは1回も打ってないけど」 「センターバック!俺、守り!」 「良かったね」 「明日も早起き、弁当よろしく!」
同窓会で20年ぶりにアメリカ国籍の親友に出会った。 昔と変わらない彼と僕はすぐに笑顔を交わし、時間を埋めた。 その時、ドンと花火が上がって綺麗だった。 でも、彼は机の下に縮こまり震えていた。 彼は軍人だった。 平和が当たり前の僕とそうじゃない彼とでは見てる世界が変わっていた。
悪夢を喰らう海月がいるらしい。 自分が死ぬ、殺される夢で飛び起きている身としては、ぜひ会いたい存在だ。 海月は肉食だけれど、悪夢は肉のように、噛みごたえがあって、美味しいのだろうか? 半透明な体の中を、黒い悪夢が流れて、咀嚼されていく。 振り向いたら、海月に囲まれてた。
心がスッキリしない時は、空を眺める事にしてる。 「今日は、どんよりとした曇り空だけど、意味ある?」 「……少なくとも、広いなとは思う」 「確かに?」 「だから、こんな小さな事で悩んでても仕方ないなって」 「自分を無理矢理納得させてるだけじゃ」 「ほら、あそこだけ青空」