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エッセイ

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#恋

恋人に会いたい

恋人に会いたい。

30歳にもなって、付き合って8年の恋人にこんなに恋焦がれるなんて、聞いて呆れる。でもしょうがない。数年前はいつまでこんなに恋人のことが好きなのだろうと好きすぎて不安になることもあったけれど、最近は開き直っている。

だって好きなんだもん。しょうがないよ。

わたしの仕事始めは2月。ここしばらくは家にいて勉強するか本を読むか筋トレするかみたいな生活を送っていて、ご時世もあり人と会

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会わないことが、会いたい人を守る。

会わないことが、会いたい人を守る。

今日の夜も、緊急記者会見があった。新たな感染者数が発表された。状況は日々、刻々と変化していく。悪いほうに。

少し前までは、春になったら落ち着くかなあ、なんて。インフルエンザみたいなもんかなあ、なんて。

わたしは、わたしたちは、甘かったんだな。

ワーホリ中の友だちは、仕事がなくなって帰国せざるを得なくなった。セブ留学中の友だちも、最後のチャーター便で全員帰国した。ロックダウンになった都市に住む

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必要な寂しさ

必要な寂しさ

「10月に実家の北海道に帰るね」と彼から連絡があった。どうやらお母さんが怪我をして、そのお見舞いに行くらしい。
お大事にしてね、いってらっしゃい。と伝えて、その話題は終わった。

実家に帰る、その言葉を聞いたとき、胸の奥がぎゅっと痛んだ。
別に、連れて行ってほしいとか、挨拶に行きたいというわけじゃない(もちろん、彼のお母さんのことは心配している)。
それにもともとその日程はわたしも予定があって、彼

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恋の呪い

恋の呪い

すれ違った人の香水にいつかの誰かを重ねてしまうこと、そんなことで悲しくなりたくないと悲しくなること

好きな男の人が自分の手を離れて世界の一部になってしまうことに絶望すること、まるで自分だけが世界の外側に取り残されてしまうように感じてしまうこと

わかりあえない結末を受け入れられずにまた人を求めてしまうこと、かすかな可能性を信じ同じことを繰り返してしまうこと

一度好きになってしまうと永遠に好きで

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そらいろ

そらいろ

10時20分ごろの空が一番好き。11時だと白すぎて、9時もまだ違くて。10時20分の空の色が、大好きなんだよね。

とあるインタビューを読んだとき、わたしの心はどうしようもないくらい揺れた。

言葉の主は、わたしが10年以上恋をしているアーティスト。
恋、と言うと語弊があるかもしれない、憧れと言ったほうがスムーズなのかもしれないけれど、本当にわたしは、彼の作る言葉や歌声や音楽に支えられ生きてきた

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逃げこんだ先に出会った人

逃げこんだ先に出会った人

『好きかどうか、もうわからない』

あの夏、わたしの心が、わたしに告げたこと。
一緒にいると安らぐし、笑っていてほしいし、こんなに愛してくれる人、きっと他にいないのに。でも、それでも。

わたしは逃げるように、一人イタリアへ旅立った。

たくさんの人に出会った。
涙が溢れる景色にも、おいしくて感激したジェラートにも。

そしてなによりわたしは、あの夏のイタリアで、日本に残してきたはずのあなたに会っ

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旅する日本語コンテスト、優秀賞を頂きました。

旅する日本語コンテスト、優秀賞を頂きました。

去年の夏ごろnoteで募集があった、私の旅する日本語2018 コンテスト。

先日note運営事務局の方から連絡があり、わたしのエッセイ「逃げこんだ先に出会った人」が優秀賞を受賞したと連絡を頂きました!

▼受賞したnoteはこちら

▼受賞発表された記事はこちら

(note運営事務局の方からは優秀賞と連絡を頂きましたが、こちらでは片岡鶴太郎賞になっています)

1月中に「旅する日本語展20

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