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ショートショート「君が好きすぎるから」
ぼくの彼女は恥ずかしがり屋さん。
今日は彼女とデートの約束だったんだけど、急に予定が入ってらしくデートができなかった。
電話をしたけど全然連絡がとれなくて自宅までいって安否確認。
良かった。元気だった。連絡がとれないとどうしても不安になる。彼氏としてはそこはドンと構えて男らしくいたいのだけど、かわいい彼女の事を想ったらどうしてもじっとしていられないんだ。
ある日、彼女が知らない男と歩いているの
ショートショート「電池」
私ってバカね。あなたのためだと思って何でもかんでもお世話して。わがままもたくさん叶えてきた。
でももう……
「何本って?」
「えっと、単三電池二本」
私は、彼から誕生日にもらったおもちゃに使う電池を探していた。
電源ボタンを押すとベンチに座ったカップルがゆっくり回る仕様になっていた。
オルゴールの音が心地よかった。
彼は甘えん坊で、都合のいい言い分けが得意だった。でもそんな彼を支えている私。と
ショートショート「筋トレ」
「ダイエットしなきゃなー」
「見るからにお腹ヤバイもんな」
「うるせーよ」
僕のお腹を悪気もなくいじってくるこの男は筋トレマニアの同僚だ。こういう話題の時は決まってこう言う。
「筋トレしなよ」
「筋トレとかしてゴリマッチョとか嫌だし」
なんで筋トレなんだ?ダイエットならウォーキングとかジョギングだろ。
このやり取りがいつもの事だが、今日は少し様子が違う。
「そんなの、なってから悩めよ」
正
ショートショート「切れ味の悪い綺麗事」
彼女の背中。
女友達が結婚する。
彼氏のことでよく相談されていた。どうしても相談三割、愚痴七割だから彼氏の印象はあまり良くなかった。
それでも付き合っているし、彼氏が好きなんだと言うから、僕の範疇ではない恋愛もあるのだと思った。
ある日その子から相談をされた。
「プロポーズされてOKしたけどちょっと不安なんだ」
僕は
「愚痴も多かったけど、それでもここまで一緒にいてプロポーズも受けたのはそういうこ