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こどもの国レポ:イサム・ノグチ作品で遊べる30万坪の巨大公園

【約2,900字、写真約40枚】
何度か訪れたことのある横浜の「こどもの国」で、イサム・ノグチのエリアに初めて行きました。こどもの国の歴史なども含めて、感想を書きます。

結論から言うと、こどもの国は素晴らしい。主な感想は、❶イサム・ノグチの作品に直に触れて遊べる経験は貴重、❷園内に遊びきれない遊具があるため、子供に特におすすめ。また、こどもの国の歴史を調べたことで勉強になりました。

場所:こどもの国
おすすめ度:★★★★★
ベビーカー:レンタルあり(有料)
休館日:毎週水曜日
住所:神奈川県横浜市青葉区奈良町700
アクセス:こどもの国駅から徒歩約5分
入場料(一般):600円
事前予約:不要
展覧所要時間:一日中
URL:https://www.kodomonokuni.org/sansaku/isamunoguchi.html


▶︎訪問のきっかけ

こどもの国の入り口

保育園のイベントをこどもの国でやると聞いたため、訪問しました。電車で乗り換えが必要なため、イベントなどがない限り行く気が起きません。そのため、ちょうど良い機会でした。

マスコットキャラクター:ジュルとチッチ

▶︎こどもの国へのアクセス

こどもの国駅

こどもの国へは、東急電鉄のこどもの国線「こどもの国」駅から徒歩約5分。こどもの国線は長津田駅から改札を通り、乗り換える必要があります。長津田駅からこどもの国駅の間は2駅です(長津田→恩田→こどもの国)。

こどもの国線は、こどもの国のために造られた線路ではなく、もともとあった軍事用の線路を利用したそうです。

こどもの国線は、1965年皇太子(当時)御成婚を記念して開園した「こどもの国」の利用者輸送のため、1967年4月28日に開通した東急唯一の単線路線である。こどもの国は、元米軍の田奈弾薬庫で、1941年に国鉄長津田駅から引込線が開通していた。その線路を利用して、特殊法人こどもの国協会が免許を取得し、東急が借り受けて運行を開始した。

こどもの国線の歴史

住所:神奈川県横浜市青葉区奈良町700

▶︎こどもの国とは

こどもの国の全体像

こどもの国は、広大な面積(約30万坪)の中に、さまざまな遊び場、牧場、プール、テニスコートなどがあります。こどもの国は、東京ディズニーランド(約15万坪)の約2倍、1日ですべてを周るのは不可能な広さです。

自動券売機があるにもかかわらず、有人に多くの人が並ぶ

都心からわずか30キロ、広大な敷地は自然豊かでたくさんの子どものあそび場があります。上皇・上皇后両陛下のご結婚に際し、国民から寄せられたお祝い金の使途について「子どものために使ってほしい」という両陛下の希望から、子どものあそび場として1965年に開園しました。

公式サイトより

今まで、こどもの国に2、3回行ったことがあります。しかし、こどもの国の歴史を調べたことはありませんでした。改めて調べてびっくり

入園券(大人600円、幼児100円)

過去、この場所は、太平洋戦争中に旧陸軍田奈弾薬庫補給廠として、陸軍の指導下で戦場で使う弾薬の製造・保管・発送を行っていました。そこで働いていたのは横浜第二中学校(現 翠嵐高校)などの生徒数百名。過去には中学生が10数名死亡する事故が起きたようです。終戦後、米軍が米軍弾薬庫として接収し活用、返還。1965年に「こどもの国」となりました。

ご結婚記念館の石碑

私は、いつも子供の笑顔と笑い声の溢れるこどもの国しか知らなかったため、歴史を調べると勉強になりました。国民からの拠出である総工費の約17億円出典)は有効に使われたと思いました。

「こどもの国」の対象は子供がメインです。しかし、広大な自然の中で、ゆったり過ごす目的として、大人にも十分に価値がある施設だと思います。

道ゆく人々。子供連れが多い

▶︎イサム・ノグチの作品群

イサム・ノグチの説明

私は、何度かこどもの国に行ったことがあるにもかかわらず、イサム・ノグチの作品があるエリアには行ったことがなかったため、訪問しました。

入り口からまっすぐ歩くと、イサム・ノグチのエリアに到着します。この付近は何もなく、周りは比較的荒廃しているため、人影は少ないです。

イサム・ノグチが設置されているエリア

イサム・ノグチの作品は全部で3つ。①エントランス通路、②丸山、③オクテトラです。

エントランス通路(左のドアはかつてはトイレ、今は倉庫)
エントランス通路を正面から
丸山の説明

丸山は、常に子供が数人いました。丸いコンクリートの山に2つ貫通した穴が開いています。また、丸山の表面はすべすべした仕様になっているため、丸山全体が滑り台になっています。

丸山で遊ぶ子供たち
1つ目の穴
2つ目の穴。滑り台になっている
コツを掴めば自力で登れます
スイー
丸山の後ろに、今は使われていない温室
中はまるで廃墟
そこから少し先に行くと…

丸山から約1分歩いた先にオクテトラがあります。オクテトラは不思議な八面体で、中は空洞です。そのため、中に入ったり、上に登ったり、色々な遊び方ができます。目立たない場所にあるため、ほぼ人がいません。

オクテトラの説明
緑のなかに赤がよく映える

イサム・ノグチは以下のようにコメントしています。

"(こどもの国に)30年の設計の体験をすべて生かした。子供の遊び場には自然を残し、自然を生かさなければならない。遊んでいて心のたかぶりを覚えるようなものをつくりたい、という私の夢を実現した"

公式サイトより

イサム・ノグチの遊具で子供が遊んだ際「もう時間がないからこの場所から離れよう」と私が言うと、子供が「もう一回だけ滑る!」と言いました。

時折、一般的な公園にある遊具は、画一的、無機質、つまらない、個性がないと感じる時があります。予算やコンセプトがない場合、すでに発売されている遊具を公園に設置するでしょう。

しかし、イサム・ノグチが造る遊具は、子供のワクワク感を引き出し、創造的な魅力に満ちています。「遊具の世界は深い」と以下の本を読んだ時も同様に思いました。

▼私が訪れたイサム・ノグチの展覧会や作品

「Isamu Noguchi - イサム・ノグチ 発見の道」@東京都美術館(2021年8月撮影)
イサム・ノグチ《こけし》@神奈川県立近代美術館 鎌倉(2023年1月撮影)
イサム・ノグチ《門》@東京国立近代美術館(2023年3月撮影)

▼イサム・ノグチの遊具で遊べる公園の一覧

▶︎その他の遊具など

大人気の大きな滑り台
この辺りは子供が一番楽しいエリア
2本あるターザンロープも人気
充実した遊び場
入ってすぐの「らくがきひろば」
「ちゅうおうひろば」
大道芸人が20kgのフラフープを回していました
フラフープや縄跳び、ホッピングなど無料で遊べます
広くで平らなため、幼児も安心して遊べる
バスケットゴールもある。ボームも無料で借りられる
テントを持参してゆったりしている人は多い
長いローラー滑り台は工事中

▶︎まとめ

いかがだったでしょうか?こどもの国は、貴重なイサム・ノグチの遊具で遊ぶことができることに加えて、遊びきれないほどの遊具もあるため、特に子供におすすめです(もちろん大人も!)。ここで紹介した以外に牧場などもあるため、機会があれば紹介しようと思います。

▶︎今日のこどもの国飯

レストラン さんかくぼうし (神奈川県/こどもの国駅) - おとな様ランチ (¥1,000)

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