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映像教材の宝庫📺地上波のテレビ&ネットで観るアートと歴史のおすすめ番組

いま現在、わたしは仕事しながら大学に在籍し、芸術史や学芸員資格課程を学んでいます。


そもそも"改めてアートのことを知りたい、ちゃんと勉強したいなぁ"と思い始めた当時、それまで以上によく観るようになったのが、アートやデザイン、歴史にまつわるさまざまなテレビ番組でした。


昨今はYouTubeで何でも知ることができるようになりました。
企業やミュージアムの公式チャンネルはもちろん、驚くようなスキルを持った個人の作り手によって、良質なコンテンツが数多く配信されています。

その一方で"テレビ"という存在は、やっぱりまだまだ優秀で、その影響力は絶大だと思うのです。
たとえTOKYO MXテレビのような地方ローカルのテレビ局(失礼。でも伝説の番組『テレバイダ―』を放映してたときから応援してます!)であっても、企画や番組の構成、撮影技術も機材も、スタッフも制作予算も、やっぱりテレビ局だからできるクオリティがあり、テレビ局だから撮影OKの場所・もの・人が今でもありますよね。


ということで 今回は、テレビっ子なわたしが 日々 欠かさず観ている もしくは 録画して映像教材のようにストックし続けている、アートや歴史にまつわる地上波のテレビ番組をご紹介します。

最近はテレビを持ってなーい! という方も多いので、配信サービスでも観られる番組をご紹介します。
また、残念ながら惜しくも終了してしまい、今では放送されてない番組は割愛しました。


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アートを 解説 & 紹介してくれる番組

Eテレ「日曜美術館」&「アートシーン」

まぁやはり最初はこちらでしょうか。
なんと1976年から40年以上続いている、アートや文化にまつわる番組です。

放送は毎週日曜の朝9時~9時45分まで、そして再放送は翌週の日曜の20時~。
45分でワンテーマ。いつもじっくりと観入ってしまい、あっという間です。

NHKが企画制作に関わっている企画展の紹介、「正倉院展」や「日本伝統工芸展」、トーハクの国宝展などを大特集するのは"お約束"ではあるものの・・・
最近では、藤原新也さんや牛腸茂雄さんの写真、奈良で作陶を続ける辻村史朗さんの日常や、ダンサーで振付家の勅使川原三郎さん、古美術を復元する繭山浩司さんのお仕事を紹介するドキュメンタリーも。

単なる、企画展の紹介、作家の紹介だけじゃない企画も増えてきてるかも?、と思いながら、毎週の放送を楽しみにしています。


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テレビ東京ほか「新・美の巨人たち」

こちらも2000年から20年以上続いている、アートの番組。
毎週土曜22時から30分の放送時間でワンテーマですが、「日曜美術館」よりも、より幅広く柔軟なテーマが取り上げられてるなぁと。

小林薫さんによるナレーションのみの体裁から、2019年に番組がリニューアルし、さまざまな俳優や文化人が実際に作品や場所を訪れながら紹介していく構成に。また、建建のシリーズやプロダクトデザインなど、シリーズになって放映されるものも興味深くて面白いです。


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TOKYO MXほか「なんて美だ」

はい、さっそくTOKYO MX系列の番組ですよ✨毎週火曜深夜0時から、CMなしの20分番組、2週分の放送でワンテーマです。
他にも福岡放送、群馬テレビ、テレビ金沢でも放送されていますし、TOKYOMXの無料アプリ「エムキャス」でも視聴できます。

"日本一敷居の低いアート番組"として、とてもカジュアルだけど、「日曜美術館」や「新・美の巨人たち」が取り上げないような、初歩の初歩というか、「写真」や「陶芸」、「美術館」などなど、ざっくりとジャンルをテーマにしつつも、けっこうするどいポイントで取り上げています。

何より司会が小峠さんってところが、敷居をより低くしていると思うんですよね。小峠さんと一緒に、NHKで文化芸術の解説委員をされていた中谷さんも出演されています。

もともとは「WoW!Ho!TV」としてスタートして、現代アーティストやアートに関わる仕事をしている方がゲスト出演されていました。
こちらの方が、より貴重だったなぁと思うのですが、さすがにニッチすぎたのかな(笑)

そんな過去の放送回は、公式YouTubeチャンネルで観られます。
わたしのnoteでもご紹介した彫刻家の瀬戸優さんも出演してたんですよ~!


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TOKYO MX「わたしの芸術劇場」

もう一つ、MXからご紹介。毎週金曜21時半からの30分番組で、司会はなんと、ラーメンズの片桐仁さんです!
こちらも、TOKYOMXの無料アプリ「エムキャス」で視聴できます。

毎回ひとつのミュージアムを片桐さんが訪問し、開催中の企画展やコレクション展などを観ながら、学芸員さんが紹介・解説したり、片桐さんからの質問に答えたりしていく内容。
番組名が"芸術劇場 "なのは、ミュージアムを"芸術を体験できる劇場"としてとらえ、作品たちの共演を楽しみ、最後は拍手をおくって称える、という演出に由来しています。

片桐さんご自身も造形作家なので作家の目線も交えつつ、とても素朴で親しみやすいリアクションをしながら番組が進んでいきます。
そして地味に楽しみにしているのが、番組の最後、ミュージアムショップとグッズを紹介するコーナー。片桐さん、ときどき本気で結構な金額のお買い物、しています(笑)

これほどまでにミュージアムばかりを訪問する番組って、他にないので、とても貴重な番組だと思って観ています。
関東圏を中心に、規模を問わず本当にいろんなミュージアムを訪れるところがとても良いので、できるだけ続いてほしいなぁ。


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作家自身が出演&アートに関わる人を知れる番組


TOKYO MX「POST FAKE」

さらにもう一つ、MXの番組ですが、こちらは現代アートの作家ご本人が出演し、お話ししている番組。
「なんて美だ」の後、毎週火曜日0時20~30分の10分番組。2週にわたって一人の作家を紹介しています。公式Instagramでも番組の映像が観られます。

番組のデザインや映像がとても凝ってるんですが、公式ホームページも素敵。番組と世界観が統一されています。

番組を制作しているのは、(株)ユートニックさん。
経営者のお一人、常田 俊太郎さんは、「King Gnu」常田大希さんのご兄弟で、millennium paradeのメンバーとしても活動されるマルチな作り手の方、なるほど納得です。


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TBS系列「LIFE×ART」

アウディが提供する5分番組。2022年4月から始まって、毎週日曜21時54分~に放映中です。

作家だけでなく、アート好きな著名人やアートコレクターなど、さまざまな出演者がアートへの想いを語っています。

初回に歌手の八代亜紀さんが出演され、実は絵画を描いてらっしゃると知り驚きました!


5分番組なのがもったいないくらい、幅広い人選なのが魅力的です。
番組公式YouTubeチャンネルで、過去の放送が視聴できます。ぜひ。


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Eテレ「no art, no life」& ハートネットTV「あがるアート」

2021年、企画展にもなったEテレの番組。
現在は「日曜美術館」の直前に放映されている5分番組です。

今はまだ、いわゆる既存のアートの文脈では語られたり、評価されてはいないけれど、ものすごい情熱で、圧倒されるような作品を作りつづける人々を紹介する番組です。
内田也哉子さんのナレーションも、とっても優しくて心地よいです。

この番組を観るたび、そもそも人間誰もが、何かものをつくりたい、という根源的な衝動みたいなものを持っているのかもなぁ、とか、上手いとか下手みたいな物差しって必要ないのかもな、なんてことを思います。

なぜなら、作り手自身は、それを"作品"だと思って作っていなかったり、"作家として評価されたい""売れたい"なんて想いを持ってなかったり、
本当にそうしたくてやってるだけ、って方ばかり、なのです。


そして、ハートネットTVのいちコーナーからはじまって、シリーズとして定期的に放映されているテーマ「あがるアート」も好きで観ています。

番組の性質上、福祉の文脈から紹介されてはいますが、SDGsとか、地域に根差したアートのあり方とか、さまざまな示唆に富む内容だなぁと。


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NHK WORLD「DESIGN TALKS plus」
かつてEテレでも放映されていた、デザインの番組。

現在は英語で発信されているNHKWORLDの番組として続いていて、毎週新作が配信、1回約30分ワンテーマです。
わたしは英語の勉強もかねて、ネットのブラウザで視聴しています。


日テレ系「THE ART HOUSE」

最後は、来週からリニューアルスタートし、どんな感じになっていくのか気になっているアートの番組です。

これまでに深夜で度々放送されていたのを観ていまして、番組の流れをざっくりご紹介すると、こんな感じ。

1.出演者が作品を買おうか検討している現代作家を紹介し、ギャラリストやアートビジネスに携わっているコンテンポラリーアート界の"プロ"の皆さんに、作品を買うに値する作家なのか、を"相談"。

2."プロ"の方々は、その作家のどこが評価に値するのか、どんな視点で作品や作家のことを観て評価しているのか、といった持論を語ります。

3.出演者がその作家の作品を買うか買わないか決断する

これまで番組を観てきて、正直なところちょーっと辛口な目で観てました。
なんとなーくシナリオありきな雰囲気とか、妙な緊張感の煽りみたいなものがちょっとなぁ、とか、いろんな物事がどこまで予め準備されているのかなぁとかとか。

紹介されている作家の方は、初めて知る方が多いので、へ~と思うこともあるんですが・・・リニューアル後がどんな感じになるのか、楽しみです。



まとめ:やっぱり頼りになる NHK & Eテレ


最後に、身も蓋もない一言で恐縮なのですが。

何せ、わたし「高校講座」シリーズの、「世界史」「歴史総合」、そして「美術」や「書道」を観てますから。こちらはネットから無料でいつでも何度でも映像が視聴できます。
学校の授業で映像教材として活用する前提の番組なので、コンパクトかつ要点をおさえた内容でわかりやすいんですよね。お薦めです!


やはりNHKやEテレの番組は、まず情報が確か(必ず検証しているはずなので)で、視聴者にできるだけ正確にしっかりと"伝わるように伝える"企画内容が多いです。
映像のクオリティなども、確実に良いものが放映されている印象。

エンターテイメントの要素を上手に盛り込んだ歴史にまつわる番組も、好きでいろいろと観ています。

おかげさまで美術の歴史とつなげて理解できるようになって、歴史そのものがとても好きになりました。

例えば、佐藤二朗さんが司会の「歴史探偵」や、東京03のコントみたいな「レキデリ」のように、とてもコミカルな番組もあれば、

地味に良いテーマ&人選でついつい観てしまう「知恵泉」

膨大な映像アーカイブがあるNHKならでは「映像の世紀 バタフライエフェクト」シリーズは圧倒的だし、

「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」も、事実は小説よりも奇なり、まるでドラマを観ているようで、とても興味深いです。


ということで、最後はだいぶNHK推しになってしまいましたが  汗

アートのこと、もうちょっと知りたいなぁ、なんて思ったときに、まさに映像教材のように、手軽にふれられるテレビのアートの番組、意外と使える&いろいろあるんです。ぜひぜひザッピングして楽しんでみてください!

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