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『死神の精度』(文藝春秋)伊坂幸太郎 読書記録


おつかれさまです。七海です🧸

最近、急に寒くなって体に堪えますね。風邪などひかぬようお気を付けください。 

今回は『死神の精度』(文藝春秋)の読書記録です。

👻あらすじ👻

人間界で仕事をする死神の話です。

死神の仕事というのは、8日後に亡くなる人と偶然を装って出会い、7日間でその人物について調査を行い、死が妥当(可)か否か(見送り)を決定するというものです。

調査といっても、ほとんどの調査対象者が「可」の決定を下されるんですけどね。(笑)


♰感想♰

物語全体を通して「幸せか不幸かは死ぬまでわからない」というメッセージを感じ取れました。

特に第2章「死神と藤田」の結末は印象的でした。

ヤクザである藤田はとてもまじめな男で、本来のヤクザの在り方である誠実や任侠を大切にしています。しかし、藤田の真面目さは他のヤクザにとっては面倒でしかなく、同じ組の仲間である人たちまでもが藤田を邪魔に感じています。

…ヤクザというのはほとんどの方にとって縁のない話だと思います。だけど、真面目な人が疎まれる、というのはどの世界でもあることではないでしょうか。

私自身も割と真面目に生きてきたタイプの人間でして、それで嫌な思いをしたことや損をすることもたくさんあったので、藤田に対してとても共感できました。

藤田はこのまま損ばかりして死んでいくのかな…とややおセンチになりながら読み進めていたのですが、いい意味で裏切られました。

死ぬという運命は変わらなかったけど、最後の最後に藤田はちゃんと救われました。

…やっぱり、最後までわからないのです。人の人生の良し悪しなんて。

だったら、ちょっと損をしてでも真面目に生きてみようかなと私は思えました。






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