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唄 / 詩

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解離性同一性障害、多重人格者です。 紬さんウタさんによる言葉を綴っています。
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#紬ウタ

ほつほつと降り積もる幻想
ここは夢の中

触れることのない現実
手を握り返す手

夢から覚めても

ほつほつと降り積もる温もり
ここは夢の中?

なぞる輪郭と絡める手
夢のような輝石

微睡む
微睡む

いつの日か描いた夢
雲間から差し込む光

目も眩むような暖かな日差しに染まる

儘ならない衝動と悲哀
ベルが鳴る
時計の針が止まらない
心臓の音 メトロノームで量る

もうまもなく 予感がする
足音が聴こえる
耳を塞いでもハートは病まない

ダムが決壊するのも時間の問題
震える手で掬い上げるものは。。

目を瞑ればマジェンタとコバルト
鍵は壊れた
あとはただ

天の水が焦げるほどに祈ろう

今この日この時
すべての祈り手が愛を抱えて微睡む

ドウカオモイトドケ

願いの先 糸紡ぎ
願いの咲き 意図紡ぎ

心穏やかな人も
心忙しなき人も

天を仰ぐ
この時 この瞬間
ひとつなぎ

叶わぬ想いも叶うはず
すべては天のもりの中

その腕に揺れ

見えないのならこの目は抉れてる
聴こえないのならこの耳は切り落とされてる

触れられない人に触れようとする私を
あなたは嘲るでしょうか
人を信じられない私が人を信じようとするのを
あなたは蹴落とすでしょうか

飛べない鳥が囀ずる
私の帰る場所はどこだ

翼捥がれても

檸檬の果実

それがどれ程の想いだったのかを
あなたは知らない。
それがどれ程の事だったのかを
あなたは知らない。

過去は今に。
死の背は今も。

焦げるような想いもあなたには届かない。
焼き付くされるのはいつだってこの身で。

阻むこの壁もいつかは開きあなたのもとへ逝く。

千手岩菲の花

心の内 巻いた種が芽吹きますようにと
祈る どうか どうか

花開く日は来るだろうかと
心もとないこの足を動かす

いつか見た 満ちた月
追いかけて 追いかけて

届かないと不思議に
いつか届くのだろうと疑念も持たず

死に絶え断ち斬られてもなお

種は種 芽吹く形をすでに知る

坂の上のいろは
未だ鮮やかに血の色

坂の上のきみは
未だ愕然と朱に染まる

震える手
吹き出す赤
固まる心臓
凍える声

囚われの白
悲鳴と悲鳴
沸き出す慟哭
ブラックアウト

背負うならばそら
カラカラと墜ちゆく

血に染まる空を見ていた
地に伏す自分を観ていた

きみのそら

あなたに逢えてどれだけか、私が幸せを享受しているか

あなたに出逢えたことどれだけか、神様にキスを贈りたいか

雨が降るようなキスを降らす

あなたに逢えてどれほどに、私が当たり前のように哀しいか

あなたに出逢えたことどれほどに、私が神様を呪わしく想うか

あなたは知らない

肩に落ちた羽
砂塵に削られ行く色

赤い目の鬼
枯れない涙と

波と波の間の幸福
沈まない月は欠ける

月が見てる
僕を見てる

陽の光を見た
日向を影が覆いくる

宵闇の中 探る手には何も触れない

月が見てる
僕を見てる

それでも僕らは日向を探して歩く

君の匂いのする方へ

艶やかに溢れるそれは色を撒き
夏の夜の花火のように弾け咲く

彼岸花

かの色彩を
揺らめかせ 揺蕩わせ
褪せんとする
散り逝くその刻まで

葉も無きその詞
迷いなく逝くだろう

チリチリと火花散らし
燃え揺る黄金の色

その身の絶える時 ふわりゆらゆら

確かにそれは放たれる

振り撒く言伝てに
来よ見よと 虫が鳴く

あれにこれに
さざ波たつ心 不知火の言の葉

声なき声
眼なき涙

還ろうや かの人のもとへと
孵ろうや かの地から麓へと

跳立つには早すぎて
留まるには時もなし

さわさわと虫は鳴く

あの道を逝こうや 

時 幽かに震えれども

しとしとと 雨は降り来る

死と死とと 飴は降り来る

足音を鳴らし
影を落とし

夏の終わり 秋風が運ぶ

寒々しく
粛々と

帰らずの川 岸辺には船

じくじくと 雨に熔ける
じくじくと 飴は溶ける

枯れた地を 炙るため
渇れた喉を 潤すため

黄金の光 向こう岸

果て迄

花が咲くように 死は咲く

掬い手のように
摘む手のように

花が裂くように 死は裂く

救い手のように
積む手のように

見慣れた姿を眼の裏に
見知らぬ顔を目の前に

待つ手もあらば
迎え手もあらば

送ること
去ること
赦すこと

揺られ子らよと 天からの導は

続くみちては

ひっくり返したおもちゃ箱

これは不安
これは焦燥

拾い上げては投げ棄てて
感情の海に溺れてく

傷む心
痛む体

抱えた爆弾持て余し

右手にはライター
左手には導火線

いかりの子 本気のいたずら

罰ゲームはもろともに

三つ子の魂百まで

罰ゲームは これから これから