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サッカーパフォーマンス

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サッカーパフォーマンスについて生理学的、解剖学的に記事にしています。
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サッカートレーニングまとめ:Soccer Training Series

サッカートレーニングまとめ:Soccer Training Series

Twitterにて投稿しているサッカー選手に有効と考えるトレーニングのまとめを作成しました。

皆様のトレーニングの一助になれば幸いです。

サッカーにおけるピリオダイゼーション(サッカーにおいては非線形のアプローチを採用しセッションごとに強度とトレーニングの焦点を変動させるのが最も有益な解決策であると考えられている

サッカーにおけるピリオダイゼーション(サッカーにおいては非線形のアプローチを採用しセッションごとに強度とトレーニングの焦点を変動させるのが最も有益な解決策であると考えられている

ピリオダイゼーションとはピリオダイゼーションとは、予め決められた時点における競技パフォーマンスの最適化をもたらすように、系列的かつ統合的な方法で、トレーニング介入を倫理的かつ体系的に組み立てることになります。

パフォーマンスの向上という主要な目的を達成する極めて重要なことは、生理学的適応とパフォーマンス適応とを促進する一方で、疲労を管理できるように、トレーニングプログラムに計画的なバリエーション

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サッカーのミニゲームにおける生理学・運動学的変数とは(選手数、フィールドの大きさ、課題の制約により生理学的、運動学的にも強度を変えることができる)

サッカーのミニゲームにおける生理学・運動学的変数とは(選手数、フィールドの大きさ、課題の制約により生理学的、運動学的にも強度を変えることができる)

生理学的、運動学的応答に対するミニゲームの意味サッカー選手は筋力とパワーと持久力が、Rosenborgにフィールド上のパフォーマンスにおいてより有利な基盤を与えたことが示唆されています。

そして、サッカーにおいてミニゲームの形式を変えられば、サッカー選手のパフォーマンスに与える影響を多様に変えることができます。

通常、ミニゲームにおいて変更点は次の3点があげられます。

• 選手数

• フィ

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サッカーにおけるピリオダイゼーション(有効なトレーニング環境にするために一般的準備期、競技特異的準備期の組み方がある)

サッカーにおけるピリオダイゼーション(有効なトレーニング環境にするために一般的準備期、競技特異的準備期の組み方がある)

年間トレーニング計画とテストのフィードバック年間ピリオダイゼーションの計画においては、その時々の筋力レベルやフィードバックに応じて、3,5,8または10RMを用いますが、筋力テストの基本はあくまで”1RM”でなくてはなりません。

バックスクワット、パワークリーン、およびベンチプレスの3種目は、適切な指導を受けた大学生選手のほとんどが、全身の低速/高速筋力のテストにおいて、1RM負荷で実行できなけ

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サッカーにおけるパフォーマンスの決定因子(有酸素性持久力は、試合中の選手の走行距離、ボールの支配時間、スプリント回数は正の相関がある)

サッカーにおけるパフォーマンスの決定因子(有酸素性持久力は、試合中の選手の走行距離、ボールの支配時間、スプリント回数は正の相関がある)

スポーツにおけるパフォーマンスの成功の鍵チームスポーツやラケットスポーツにおけるパフォーマンスの成功の鍵は、高強度の運動を反復する能力を発達させることですが、それは疲労のマイナス効果を減じるために、神経筋系と心肺系の効率を高めることによって初めて達成できます。

この能力は、パフォーマンスの向上だけではなく、傷害予防にも重要な役割を果たします。

神経筋の疲労はスポーツ傷害の大きなリスク因子のひと

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ピリオダイゼーションにおけるパワーの向上(力-速度曲線の異なる部分を目標とする様々なエクササイズの負荷を用いることにより、曲線の異なる領域に目標を定めることができる)

ピリオダイゼーションにおけるパワーの向上(力-速度曲線の異なる部分を目標とする様々なエクササイズの負荷を用いることにより、曲線の異なる領域に目標を定めることができる)

ピリオダイゼーションとはピリオダイゼーションとは、予め決められた時点における競技パフォーマンスの最適化をもたらすように、系列的かつ統合的な方法で、トレーニング介入を論理的かつ体系的に組み立てることです。

パフォーマンスの向上という主要な目標を達成するためにきわめて重要なことは、生理学的適応とパフォーマンス適応とを促進する一方で、疲労を管理できるように、トレーニングプログラムに計画的なバリエーショ

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サッカートレーニングにおけるピリオダイゼーションの提案(運動量と運動強度を維持するという考え方に従って、刺激の特定の形式に基づき、標準的な週間パターンを示すことができる)

サッカートレーニングにおけるピリオダイゼーションの提案(運動量と運動強度を維持するという考え方に従って、刺激の特定の形式に基づき、標準的な週間パターンを示すことができる)

ピリオダイゼーションとは
ピリオダイゼーションとは、トレーニング変数を連続的かつ理論的に操作することによってパフォーマンスを最適化するプロセスになります。

筋力-パワー系競技の選手向けに提案されているピリオダイゼーションモデルは、エクササイズの強度を高めて量を減らしていき、なおかつ量と強度に日ごとの変化も持たせるというものになります。

この方法は、筋力の漸進的向上には効果がありますが、

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サッカー選手における傷害予防(筋力の増大{および結合組織の適応に対して同時に生じる利益}、筋のアンバランスへの対処{特に大腿}、運動メカニクスの改善{ランニング、方向転換、着地}などの傷害予防策を目的としたエクササイズやドリルは非常に重要になる)

サッカー選手における傷害予防(筋力の増大{および結合組織の適応に対して同時に生じる利益}、筋のアンバランスへの対処{特に大腿}、運動メカニクスの改善{ランニング、方向転換、着地}などの傷害予防策を目的としたエクササイズやドリルは非常に重要になる)

傷害予防サッカーはコンタクトスポーツに分類され、大多数の接触はボールの支配を争っている対戦相手との間で起こり、このようなスポーツでは、負傷は避けにくく、その重症度も様々に異なります。

上級レベルの男子サッカー選手は毎年ほぼ1回、パフォーマンスが制限されるような傷害を負うことが報告され、その結果、トレーニングや試合に参加できない日数は平均24.2日に達します。

これらの避けられない傷害はトレーニ

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サッカートレーニングのためのピリオダイゼーション(特定の段階ではなく、シーズン全体にわたり、サッカー選手の最適なパフォーマンス目標を明確に示すものでなければならない)

サッカートレーニングのためのピリオダイゼーション(特定の段階ではなく、シーズン全体にわたり、サッカー選手の最適なパフォーマンス目標を明確に示すものでなければならない)

サッカートレーニングのためのミクロサイクルの提案あらゆるトレーニング状況において、コーチの計画的な見通しと選手の要求に基づいてピリオダイゼーションプログラムを計画すべきです。

マクロからミクロまで、ピリオダイゼーションは、特定の段階ではなく、シーズン全体にわたり、サッカー選手の最適なパフォーマンス目標を明確に示すものでなければなりません。

実際、サッカーチームのレギュラーシーズンはおよそ10ヶ

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サッカーにおける加速力とスピード力を向上させるには(平均すると17m、スプリント約96%が30m以下、持続時間は平均6秒以下、90秒に1回の割合でスプリントをおこなっている)

サッカーにおける加速力とスピード力を向上させるには(平均すると17m、スプリント約96%が30m以下、持続時間は平均6秒以下、90秒に1回の割合でスプリントをおこなっている)

加速力とスピードBangsboは、選手が試合中に行うスプリントの距離は、1.5mからピッチの長さまでで、平均すると17mであること、またスプリント約96%が30m以下であり、持続時間は平均6秒以下であること、さらに90秒に1回の割合でスプリントをおこなっていることを明らかにしました。

通常、スプリントは選手がすでに動いている時に始まります。

そのため、静止姿勢からスタートするスプリントに比べ、

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サッカーにおけるアジリティ能力と有酸素性能力(サッカー選手は、1秒を争う試合の重要な局面で方向転換を2~4秒に1回行い、試合中に合計1,200~1,400回も方向転換をおこなっている)

サッカーにおけるアジリティ能力と有酸素性能力(サッカー選手は、1秒を争う試合の重要な局面で方向転換を2~4秒に1回行い、試合中に合計1,200~1,400回も方向転換をおこなっている)

アジリティ能力サッカー選手は、方向転換を2~4秒に1回行い、試合中に合計1,200~1,400回も方向転換をします。

俊敏な動作は、1秒を争う試合の重要な局面で起こり、試合の結果を左右する大きな違いを生みます。

様々な幅広いスポーツから男女の上級アスリートについて調査すると、彼らは視覚的な探査能力に優れていること、そして、素早く正確に反応することが示されています。

早いペースで様々な運動を生

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筋力およびパワーの適応を競技パフォーマンスに転移させる(速度を最大限に向上させる上で重要な要素は、力の発揮と発揮時間であることを意味する)

筋力およびパワーの適応を競技パフォーマンスに転移させる(速度を最大限に向上させる上で重要な要素は、力の発揮と発揮時間であることを意味する)

スプリントスピードと発揮筋力スプリントスピードを構成するもう一つの主な要素としては、パワーと力積の両方を左右する発揮筋力があります。

ランニングにおける発揮筋力は、特に下半身のピーク筋力を増大させることによって向上させることができ、下半身の筋力増大には、スクワットやレッグプレスのような重い負荷を利用できる多関節運動が最適であるとされています。

また、パワー発揮能力の増大を直接狙うには、様々な程

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ウォーミングアップの生化学反応と生理学観点(ウォーミングアップを行うことで酸素摂取量が容易になり、運動初期の酸素不足は少なくなり、運動中に利用できる有酸素エネルギーは増加するので運動の遂行に有利になるとされている)

ウォーミングアップの生化学反応と生理学観点(ウォーミングアップを行うことで酸素摂取量が容易になり、運動初期の酸素不足は少なくなり、運動中に利用できる有酸素エネルギーは増加するので運動の遂行に有利になるとされている)

運動による体温の上昇1) 酸素の供給量増加:ヘモグロビンの酸素解離曲線が右に移動するため、酸素の解離が容易になって活動筋に対する酸素の供給が多くなります。

2) エネルギーの発生:生化学反応が促進されるために多量のエネルギーを発生させます。

3) 筋粘性低下・障害予防:筋の粘度が低くなるために俊敏な動きを行いやすく、運動による障害のリスクが軽減します。

4) 体温上昇の軽減:トレーニングの継

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サッカーにおける高強度持久力運動の重要性(トレーニングを試合の身体的要求に合致させるためには、短い休息時間で反復的な高強度活動を行う能力に重点を置く必要がある)

サッカーにおける高強度持久力運動の重要性(トレーニングを試合の身体的要求に合致させるためには、短い休息時間で反復的な高強度活動を行う能力に重点を置く必要がある)

高強度インターバルトレーニングサッカーは高強度運動を繰り返し行う間欠的なスポーツとして特徴づけられます。

そのため、トレーニングを試合の身体的要求に合致させるためには、短い休息時間で反復的な高強度活動を行う能力に重点を置く必要があります。

高強度インターバルトレーニング(HIIT:High-intensity interval training)は、同じ力学的運動と持続時間を使って連続的に行う

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