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SNS仲間と[理想の洗車ワックス]を製品化した話①愛せる洗車製品が見つからない理由

 これから7回に渡って、僕が趣味の洗車を通じて1000人を超える仲間と出逢い、彼らと[理想の洗車ワックス]を製品化した話をしていきます。

 僕は洗車の話をしていきますが、途中で「あれ?」となっていくと思います。これは少し前から話題になっているWeb3、DAOといったバズワードとも、また僕自身が本業で手掛けている、小売(リテール)ビジネスの未来にも繋がる話です。

 では、はじめましょう。



なぜか洗車にのめり込んでいった

 僕は昔も今も、クルマが大好きです。18歳になってすぐに最初のクルマを買ってから20台以上の、さまざまな国の輸入車を乗り継いでいます。

 輸入車の最新モデルが発売される度に、乗れるクルマであれば、ほとんど試乗していますので、今までに乗ったことのある車の数は300台以上だと思います。

 ただ、洗車については長年、洗車機にかけて終わり、で済ませていました。「時々手洗いするよりも、毎週洗車機にかけた方がきれいになる」、そう思ってました。

 でも3年ほど前、BMWのグランクーペを購入した際、急に洗車を自分でしてみようかなという気になりました。

 グレーと紫の中間のようなボディカラーがとても気に入って、その色合いや光沢をキレイに保ちたいと思ったからかもしれません。


洗車場で専門家と出会う

 洗車を手洗いでするようになってからしばらくして、洗車場にて、とある洗車の専門家に出会いました。

 彼曰く「皆さん、洗車機にかけて綺麗にしたつもりでいるけど、プロが見たら本当に汚いクルマが日本ではほとんどなんですよ」と。

 僕は生まれながら好奇心が強い人間なのでしょう、大学時代にコンピュータを学び、社会人になってからも、ビジネス・コンサルタントとして長年仕事をしていたこともあって、気になることに対して凝り性になり、とことんモノを調べる習性があります。

 洗車についても、「なるほど」、と深掘りしていくと、たしかに気になる点が多く出てきました。


「コーティング」には課題もある

 例えば、日本では、新車を買うとディーラーから「ガラスコーティング」を勧められます。

 「ボディ表面に硬いコーティング膜が張られて、ボディ表面を保護するので車に汚れが一切つきません。洗車も水をかけるだけでキレイになります。コーティングしないと洗車を頻繁にしないといけなくなり、大変ですよ」

 そんなふうに言われて、10万円、20万円という料金を払ってコーティングするわけですね。

 ただ、クルマの一番の汚れは、実は「水」です。

 正確には水が乾燥すると、イオン成分がシミ、いわゆる水垢となってボディに張り付き、表面の美しさを少しずつ損なっていきます。そして水垢は洗車シャンプーでもなかなか落ちない。

 水垢は積もり積もると表面がだんだん曇ってきて、新車のときよりもボディカラーがくすんで見える……。

 これはもうほとんど水垢が原因なのですが、「もう中古車だからしょうがないね」と多くの人が諦めてしまうのです。

 細かな話になるので省きますが、表面をコーティングすると、この水垢をかえって付きやすくなります。こびりついた水垢は、やがてコーティングの膜を侵食し、ボディの塗装の中に水垢が入り込みます。

 こうなると、もう手に負えません。

 日本では「コーティングすれば洗車しないでもきれいのまま」、と多くの人が信じていますが、実際はそうではありません。実際、洗車先進国の海外では、コーティングは一般的ではなく、今でもWAXが主流です。


キレイにしたつもりだったのに……

 僕は人に聞いたこと、不思議に思ったことは、うのみにせず、自分で検証したくなってしまう性格です。

 そこで、BMWの新車を買ったのを機に、まず、ディーラーの勧めるコーティングを断りました。

 そして自分で手洗い洗車してみようと、カーショップに行って、お店が勧める国内メーカーのシャンプーや洗車用品を購入し、実際に洗車を始めました。

 かなりの数の製品を試しましたが、しかし、どうも納得できないのです。もっとキレイになっていいはず…。

 そこで、ネットの情報を読み込んでいくと「性能のいいものは海外製。日本にはいい洗車製品はほとんどない」というコメントをみつけました。

 「それは本当なのか?」ということで、たまたま手に入れた、海外の洗車製品を使ってみたら、全然汚れ落ちが違っていました。

 「キレイにしたつもりだったのに、こんなに汚れていたとは……」と愕然としたのです。

国産が「無難」なところに落ち着く理由

 ただ、日本製品だけが性能がイマイチ、というのには理由がありそうな気もします。

 海外製の汚れ落ちの良い洗車用品は、酸性やアルカリ性のものも多く、手袋せずに、素手で施工すると、肌が痛くなったり、皮がむけるものも少なくありません。

 日本では、たとえ消費者に過失があっても、販売した企業の落ち度とされてしまうことがどこの産業もあります。特に大手はあえて、安全なもの、つまり汚れ落ちの力が弱いもの、しか販売できないようです。

 同時に、日本のカーユーザーの大部分は、洗車に対する興味や知識が、それほどないように感じられます。そのため、値段の張る、高い洗浄力の製品を買わない。となると、日本メーカーも、そうした製品をあえて作らない、というのもあります。


理想の洗車用品を求めて

 改めて。僕が目指すのは「クルマをキレイにすること」でした。

 そのため、海外発の洗車に関する動画をチェックし、SNSを通じて連絡を取り合うなど、「洗車が趣味」という人たちと仲良くなるにつれ、日本のカーショップで「理想の洗車用品」を求めるのはあきらめました。

 その代わり、海外の洗車用品を個人輸入で入手して、洗車するようになっていきました。

SNS仲間と[理想の洗車ワックス]を製品化した話
①    愛せる洗車製品が見つからない理由
②    Twitterに仲間が集まってきた
③    1000人との「共創」開始
④    Web3で「平等な意思決定」
⑤    AI駆使、韓国企業に発注
⑥    まさかの提携依頼
⑦  [共創]を通じての気づき-買い手主体のモノの買い方-


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