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読書📚『舟を編む』『わるい食べもの』

GWですね。次は何を読もうかと若干そわそわしながら(集中せい)、夢中になった2冊です!

『舟を編む』   三浦しをん

Wombatさんにおすすめいただいて。
本書を韓国語に訳した翻訳者さんのエッセイ『ひとりだから楽しい仕事』を読んで、三浦さんが実際の辞書編集部で入念に取材をされたと知り、気になっていました。
読んでみて、大変よかった……!! 一気読みしてしまいました。
言葉の海を渡る舟=「辞書」を作るお話です。

用例採集 → 語釈(実際に辞書に載る説明文)執筆 → 度重なる校正、という実際の辞書の作り方について初めて知れて、興味深かったです。もしかしたら一生知らなかったかもしれない辞書編集のお仕事。

作中、主人公がよく似ている二つの言葉について違いを考え抜くシーンがあり、すごい……と驚きました。分かりやすい語釈にしようと、二語の意味を自身の体感も踏まえて言語化していく。

確かに、言葉は印刷された紙の上だけではなく、現実世界で生きて使われているもの。それを実際に自分の頭と体で深いところまで探れば説明できるんだ、という発見。説明してやるんだ、という情熱(執念?)。
緻密さを要する作業で、雑な私には無理だと思いつつ、彼らのひたむきさに一緒に熱い気持ちになりました。

(とはいっても辞書は引くもの、自分で作ることはあるまい……と思っていたら、デイリーポータルZさんのこちらの記事 ↓ がとっても面白かったです。こういったワークショップとか、学校の自由研究的な活動で取り組めたら楽しそうですね)

映画も観ました! キャストの方々が大変かわいくかっこよく、なおかつ物語が分かりやすくビジュアル化されていて、安心して入り込める作品でした。家族で観たり、お酒片手にリラックスして観るのも良さそう。
ノイタミナのアニメ版もあるようなので、いずれ観てみたいなあ。


『わるい食べもの』   千早茜

作家・千早ちはや茜さんの食エッセイ本。2巻目『しつこく  わるい食べもの』を先に読んでしまいましたが、どの順で読んでも大丈夫そうでした。

千早さんが好みを貫いていくさまが清々しい。作中で、千早さんがご自身のことを頑固のようにおっしゃっていますが、その強さに何だか勇気をもらいました。
勝手にいろいろ意味が付加されがちな「食」だけれど、自分が充実できるものを胸を張って好きだというのは素敵で、尊重されるべきこと。

こちらの1巻は作家デビューされる前のエピソードが多い印象でした。「これだけ意志のある人が実際に作家になるんだ」と、月並みながら背筋が伸びる思い……。
旅先で取材に歩いた際の、五感が研ぎ澄まされていくときの体験談もあり、作家さんの感覚の部分を具体的に見せていただいた気がして、わー! と圧倒されました。風景を丸々のみこんで、新たに言葉にしていくって、改めてすごい。

エッセイから入ってしまい、千早さんの小説はまだ読んでいないので(すみません……)ぜひ、読もう。

最後までお読みいただきありがとうございます!
GWは焦らず読書に励み、適度に勉強や仕事もしたい、と夢ふくらむものの、いつも通りだいたい無計画です(笑)。どうなるかな。

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