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「資(すけ)さんうどん」をすかいらーくホールディングスが買収。北九州のソールフードが全国に拡散されます!将棋の藤井聡太さんが勝負飯に選んだうどんだけにブランドエクイティー髙いです。

こんにちは、讃岐うどんよりも大阪うどんが好きな、DJムッチーです。
うどん好きの僕は、旅先では1度はうどんを食べることにしています。
そんな僕のお勧めTOP3に入る北九州の「資(すけ)さんうどん」が、この度すかいらーくホールディングスさんに買収されるということで、いよいよ全国にあの旨さが拡散されることになりそうですね。
(お判りでしょうか? すけさん、かくさんの洒落です・・すみません)
ちなみに僕のお勧めワーストワンは伊勢うどんです・・

資さんうどんと言えば、将棋の藤井聡太竜王・名人が、2023年10月26日の竜王戦で、勝負メシに資さんうどんの人気TOPメニュー「肉ごぼ天うどん」を選んだことで話題となったのを憶えていらっしゃる方も多いと思います。

麺は讃岐うどんよりもやわらかくもちもちとしていますが、コシも感じられます。九州のうどんと言えば博多うどんを思い出す方もいらっしゃると思いますが、あんなに柔らかいぐにゃぐにゃ麺ではありません。
出汁は、昆布メインの合わせダシで甘味があって濃厚。インパクトのある味ですが、後口はあっさりで後を引かず、また食べたくなる味です。
トッピングも様々あって、ごぼ天と呼ばれるごぼうの天ぷらや甘く煮込まれた牛肉やカシワ(鶏肉)、かき揚げ、おもちなど豊富です。
メニューの種類は、麺類、ご飯もの、単品料理など100を超えます。

お店に入ると、まずはうどん出汁の沁み込んだおでんを勧められます。おでんとうどんを注文する人が多くて、おでんが先に出てきます。
こうなったら、呑むしかないでしょ・・・というわけで、ビールを頼む人も大勢いらっしゃいます。
豊富なトッピングは、単品料理としても提供されるので、ついつい呑んで長居する人も多くて、そのせいでお店はいつも混んでいます。

のれん代が示すブランドエクイティーの高さ

すかいらーくホールディングスの資さんうどん買収金額は240億円。
資さんうどんの純資産額が25億円だから、「のれん代」は215億円ということになります。「のれん代」は会計上は営業権と解釈されることが多いのですが、実はこの「のれん代」こそが、ブランドエクイティー(無形企業資産)なのです。
(昨日の記事にブランドエクイティーの説明をしてます・・・)
「のれん代」を、PBR(株価純資産倍率)を使って同業の丸亀製麺、はなまるうどんと比較すると、丸亀製麺のトリドールホールディングスが3.5倍、はなまるうどんの吉野屋ホールディングスが3.3倍なのに対して、資さんうどんは9.6倍ということになり、すかいらーくホールディングスはブランドエクイティーに相当高い価値を見出しているということになります。

うどん業界2強との違い

うどん業界は、「丸亀製麺」が851店(8月時点)、「はなまるうどん」が418店(2月時点)と、ツートップを形成しています。
ツートップはいずれもセルフサービスであり、「うどん+トッピング」が一般的な注文。ベースとなるかけうどんが300円台、常設のトッピングや天ぷらなどは10種類強といったところで、100円~200円台。あくまでうどんをベースにしているため、客単価が上がりづらいのが現状です。

ところが、資さんうどんは、メニューは常時100種類以上とずば抜けて豊富で、北九州独特の締めの「ぼた餅」も年間540万個も売れる名物メニューになっています。
故に、客の回転率は遅めでも、客単価はツートップよりはかなり高めになります。また、ほぼ全店が24時間営業とあって独り飲みをする客も多いなど、「うどんを食べない」来客も相当数にのぼるります。
サッと選んで、サッサと食べて、トットと帰るスタイルのツートップとは業態自体が違うということですね。

資さんうどんの飲食店としての立ち位置は、既存のセルフうどん店とは異なり、「うどんがおいしくて敷居が低い和食ファミレス+食堂+飲み屋」という感じでしょうか。
和食ファミレスの「さと」や「ゆず庵」よりは庶民的なメニューでリーズナブルで、定食の「やよい軒」や「大戸屋」よりはメニューの選択肢が広い。
資さんうどんは、新しい和食チェーン店としてのポテンシャルが高くて、買収先が魅力を感じたのも頷けますね。
(北九州にはこういう感じの個店は結構あります。)
気になるのは、チェーン展開して味が落ちはしないかということです。
すかいらーくホールディングスのお店はセントラルキッチンスタイルですから、再現が可能なのか非常に気になりますね。

ちなみに、関西もうどん店でぼた餅や赤飯を食べる習慣があって、うどんチェーンの「力持ち」が有名です。北九州では、おでん屋さんの締めにもぼた餅が出て来るお店があります。

締めのぼた餅は北九州の文化です

いよいよ東京進出

今年の冬、東京両国に出店を予定している資さんうどんさんは、それに先立つ7月に3日間限定で内神田1丁目にPOP UP出店されました。
美味しいものは皆さん良くご存知で、神田のオフィス街に400名以上の大行列ができただけでなく、400食用意した「肉ごぼ天うどん」は完売、整理券すら入手困難だったと、話題を呼びました。
両国の東京1号店以降も、関東への出店を検討しているということです。

資さんうどんに並ぶ行列 朝5時からという人も

真のブランディング

真のブランディングとは、ブランドエクイティーを開発することから始まるので、機能や価格、ましてやネーミングやスタイリングに終始することではありません。(目先を変えるなどありえないのです。)
世の中にはブランディングを謳うマーケッターさんがたくさんいらっしゃいますが、どれだけの人がブランドエクイティーをPBR等の指標を使って計量的に分析できるでしょうか?
純資産の意味すら知らない人に、ブランディングは不可能です。
企業の皆さんにご理解いただきたいのは、資さんうどんさんの事例で分かるように、ブランディングは企業内で実施するもので、ブランディングだけを外部の業者が請け負うことは不可能だということです。
どうかご注意ください・WEBマーケティング系にはそういう人が多いです。

それでは、今日はこの辺で失礼します。
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じゃあまたこの次
DJムッチーでした。

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