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哲学

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#創作大賞2023

『禅とオートバイ修理技術』 要約と解説

『禅とオートバイ修理技術』 要約と解説

はじめに

 『禅とオートバイ修理技術』は、1974年に出版されました。著者パーシグが息子クリス、そしてサザーランド夫妻の3人と共に17日間の旅をした自伝的な内容です。
 かつて大学教師だったパーシグは、思索にふけるあまり狂人であると見なされ、(当時は合法だった)電気ショック療法を受けました。彼は記憶の大部分を失いながらも、教師時代に残したメモを再び読みながら、『クオリティとは何か?』という問いに

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古典哲学:プラトンと「イデア論」

古典哲学:プラトンと「イデア論」

 紀元前300年頃に活躍したギリシャの哲学者プラトンは、「この世の全てには、その源が存在する」と考えました。山とか馬とかいったものには、その大元に別の何かがあるのだ、と。しかも、やさしさとか美しさといった、目に見えないものにもその本体があるというのがプラトンの考えです。
 プラトンはこれらの本体を『イデア』と呼びました。英語のidea(アイデア)という言葉の元になった言葉です。
 ソクラテスと同じ

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古典哲学:ソクラテスと「無知の知」

古典哲学:ソクラテスと「無知の知」

 あなたは、10年後の1月1日にどこで何をしていますか?それは本当ですか?絶対にそうしていると言い切れますか?
 今こんなことを質問されて、答えられるでしょうか。

 誰にもわからないことについて、真剣にわかろうとした人たちがいました。ソクラテスもそのうちの一人です。彼は『無知の知』を発見した偉大な人物です。
 紀元前400年頃、ギリシャのアテナイという町に生まれたソクラテスは、後の哲学者に多くの

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