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【#20】カルボナーラに生クリームは必要かどうかという論争。

小学校時代含め、実家暮らし当時に出てくるパスタ、いや、スパゲッティはミートソースと決まっていたし世間にもあまり種類は無かったように思われる。スパゲッティといえばミートソースとナポリタン。あと、ボンゴレ。ボンゴレはロッソばかりでビアンコなんて見なかった。あったのかな?僕が子供だったらから?兎に角、そんな時代。ピーマンが嫌いだった僕はナポリタンではなくミートソース一択。僕のなかのスパゲッティは一種類だった。

僕も成長し、免許を取り、クルマで自由に出かけるようになったある日、カプリチョーザに出会う。当時はもう華婦里蝶座ではなくカプリチョーザ。TSUTAYAは蔦屋だったかもしれないあのころ、バケツかよ!と言いたくなるほどの大きなボウルに入れられたカルボナーラは衝撃だった。マイファーストカルボナーラは、僕の胃を苦しめた。それよりもミートソース以外のあのカルボナーラなる白いパスタに驚いた。うまい!僕は散々カプリチョーザに通った。ちなみにカプリチョーザのパスタが旨いのかよ!という異論は受けつけない。どんな味であれファーストキスに変わりはない。

30になりパスタを10種類作れる男になる!を始めた頃。アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノで基本を学んだあと真っ先に作ったのもカルボナーラ。でも、どうしても美味しくない。カプリチョーザのトラウマは恐ろしく、同じような特大ボウルを買いアホみたいな量のパスタを茹で、水分を吸ってかさ増しした茹で上がりは夢に出るほどの地獄絵図。あらゆる本も買った。いつしか美味しいと思ったお店の方に作り方を聞くようになってしまった。

カレーにルゥは使ってはいけない。あんなものは邪道。カレーは小麦粉から。という識者は多いのと似て、カルボナーラ・スノッブ達も生クリームは邪道と言い切る。これをちょっと違うとぼくは思っていて、カレールゥは企業努力の塊だし生クリームカルボだって十二分に旨い。これまで無数のカルボナーラを作ってきたぼくの考えとしては、こうまとまった。

◯その日によって食べたいカルボナーラは違う
◯いろんなレシピを使い分ける
◯仕上がりの差を知る

↑初期のカルボナーラ
多めのオリーブオイルに生クリーム70ccを加えたもの。

↑生クリームを減らしパルミジャーノと合わせたもの。麺はリンギーネを使っている。

↑”色彩のカルボナーラ” 人参やほうれん草を練り込んだスパゲッティーニにカラフルなペッパーを挽いた。

↑生クリームを使わない現在のレシピ。全卵一個・卵黄一個・パルミジャーノ15g。

↑僕が今一番おいしい!と思っている曽我部恵一さんの店、下北沢CITY COUNTRY CITYのカルボナーラ。なんと生パスタ。僕のやつよりソース感があって、胃にもたれない。それに、食べたものは”ほぼ”コピーできるぼくでも何をどうやったらこの味になるのか皆目見当がつかない。

同じパスタで別の手法を持つ、というのも楽しい。答えはやっぱりひとつじゃないんだ。

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