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Electric rain
2月に詠んだ短歌
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ヘブン、と口に出したら悪い顔になってて もう宇宙しか居場所ないかも
都市生活冷凍して嬉しそうだね 丸の内の日向も猫のおでこのにおい
銀色の球が延々吸い込まれ光に 稀に価値に 君の横顔が他人に
新宿が今日も乱反射を続けわたしは全部避けられている
なぜ生きているのかわからないままで吸う空気はつめたくて 吐いた
脳みそがあの
いつかのとある日の「なにか書くことは対象を消費することじゃん」という残酷な、ほとんど絶望に近い気付きが、それからずっとわたしを横にしています
秋に4首だけ詠んだ短歌
嫌なとこばっかみないと決めた日に透けるこもれび秋の空だわ
焼鮭をつまみに酒をのんでいる 夏のアレ 焦げてちぢれてる笑
ぬれまくら 玄関あおく冷めてくのみてた ひとりでびいだまになる
月経の前の乳房の稜線にいまは似てるな人妻未満
『2DK』(短歌12首)
伏線は自死したみたい改行の果てにだんだん遠くなるひと
それからはままごとみたいに暮らしてるご飯の前にアイスお風呂の後にまたアイス
白かった部屋に箱を買う箱を買う入れ子の城をつくるつもりだ
はじめからあったエメラルドグリーンの錆を落として緑の風よ
空腹を2つ埋めるにくやさいたんすいかぶつゆげにおい こえ
チューリップ開きすぎてて笑いそうだったの堪えたぶんの虹だよ
ベランダで煙