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『2DK』(短歌12首)

伏線は自死したみたい改行の果てにだんだん遠くなるひと

それからはままごとみたいに暮らしてるご飯の前にアイスお風呂の後にまたアイス

白かった部屋に箱を買う箱を買う入れ子の城をつくるつもりだ

はじめからあったエメラルドグリーンの錆を落として緑の風よ

空腹を2つ埋めるにくやさいたんすいかぶつゆげにおい こえ

チューリップ開きすぎてて笑いそうだったの堪えたぶんの虹だよ

ベランダで煙草を吸って冷えた手がわたしに触れる雨のはじまり

君のせぼね毎日つついても崩れない夢みたいだからなぞっているよ

老いる気がしないわミモザさかさまに吊り下げザモミとはしゃぐ夕方

思いつく限りふざけて眠るとき愛しい顔をしてますように

50枚入りでふたりぶん守る風を分け合う罪深さから

恋をしていたとき街はきらきらであいしてるとき蓄光の部屋



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