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「日本は法治国家」こそが最大のお笑い

超有名お笑い芸人が飲み会で性加害をやったとしてマスコミ、テレビスポンサー、世間が一斉に掌返しを始めている。しかし例によって証言だけで証拠はなく、被害者とされる人物は全くの匿名でもある。逮捕も起訴もされてない、証拠もなく証言だけ、要するに文春の撒いた噂だけで「法を超えて」犯罪者認定できるのなら、「日本は法治国家」こそが最大のお笑いじゃないかとすら思えてくる。

社会に一定の功績や影響力のある人物の過去をわざわざほじくり返し、わざわざ不祥事を見つけて糾弾し、その人物の痕跡を社会から抹消せようという動きをキャンセルカルチャーと言う。それはアメリカにおいてMeeToo運動以降先鋭化されてきた極左的な革命運動、文化破壊運動でもあり、分断社会によるリベラリズム暴走の帰結とも言える。日本はしばしばアメリカの後追いになることが多いが、要するにこれは日本におけるポリコレ、 MeeTooの再現とも言える。

ひとかどの人物に遊びひとつ許さないというのも歪んだ平等意識から来るルサンチマンだろうが、こんな事をやってたらタテマエとキレイゴトだけのつまらない世の中になるし、テレビにおけるお笑いという文化も完全に終わるだろう。昔のテレビ、お笑い等は例えば下ネタも満載で、近年の価値観で見れば非人権的に見えるものの表現の幅は今より広かったわけで、ポリコレが支配的になって人権的になればなるほど表現は萎縮され、それが文化の裾野を狭くさせてしまっている。ポリコレ、ポリティカルコレクトネスは「政治的正しさ」と訳せるが、アメリカにおいてはその「正しさ」が映画文化を殺している面が大いにある。いわゆる正義病というのもこのポリコレの亜種であり、逆説的ではあるが「正しいこと」だけが常に正しいとは限らない

この件で「法を超えて」謝罪します、補償します、では逆にますます要求がエスカレートしてハイエナのようにたかられる前例もちょっと前にあったためか、ここで芸人がそのハイエナマスコミと断固法的に戦う宣言をしたのは良かった。これは何も一芸人だけの問題ではなく、ちょっと前にアイドル事務所や宝塚が潰されたように、マスコミは潰した後は次のキャンセルカルチャーの対象をまた見つけては叩き始める。この芸人に特段の関心が無いとしても、いつ自身の支持する著名人がキャンセル対象になるかもわからない。なのでこの芸人自身がどう思ってるかは別として、これから始まる法廷闘争は芸人自身の戦いだけでなく、ポリコレ暴走から文化を守る戦いという意味合いもある。文化破壊の防波堤となることを期待したい。



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