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モリアドの森岡
2023年1月10日 14:53
2023年1月、NHKで大河ドラマ「どうする家康」がスタートしました。松本潤が演じる松平元信、後の徳川家康が、窮地に追い込まれて色々な選択を迫られる事をテーマにしているようです。第一話を見たところ、早速桶狭間の戦いで今川義元が織田信長に敗れて、松平家の当主として今後どうするのかの決断に迫られます。現代ほど情報網が発達していない時代において、判断及び決断を下すのは非常に難しく勇気がいる事
2022年5月9日 15:57
北条家の「合議制と法令による関東独立」パーパスの成功と失敗戦国時代の北条家は、近隣の武田家や上杉家に比べると非常に地味な印象です。それは、早雲以降の北条家の当主氏康や氏政などに信玄や謙信のような派手さがなかったからかもしれません。しかし、北条家では、戦国時代につきものの家督争いなどのお家騒動や家臣の謀反などがほぼありません。北条家の念願または野望とも言うべきパーパスの元で、不満を蓄積さ
2022年5月1日 21:59
秀吉の醍醐の花見に選ばれた摂津国の銘酒【平野酒】が復刻関西のお酒どころというと、神戸の灘と京都の伏見が有名で、大阪は全く酒蔵や蔵元のイメージがありません。しかし、戦国時代のころには、大阪の平野郷で作られた「平野酒」が銘酒として知られていました。豊臣秀吉が晩年に催した醍醐の花見にも他の銘酒と一緒に「平野酒」が並べられたと「大かうさまくんきのうち」に太田牛一が書いています。時の最高権力者の
2022年3月29日 16:44
平和な時代を生んだ家康の「合議制と法令による天下泰平」徳川家康が始めた江戸幕府は、260年もの平和な時代を生み出します。局所的な大坂の陣や島原の乱を除くと、ほとんど大きな戦乱はありませんでした。天下泰平と呼ばれた平和な期間は、家康のパーパスを全国の大名が長い間支持し続けた事で守られていました。そのパーパスは「合議制と法令による天下静謐」です。家康も、政権運営をする上で天下静謐を最大目標
2022年3月14日 11:12
秀吉の壮大すぎたパーパスの暴走天下静謐によって、日本が統一され、国内での大名間での戦争はなくなりました。親兄弟ですら信用できない時代が終わり応仁の乱以来の平和な時間が訪れます。戦国大名たちは豊臣政権に所属する事で、他者を警戒することなく、生活を送れる社会になりました。マズローの五段階欲求でいうところの低次欲求の「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」が満たされました。さらに朝廷か
2022年3月4日 16:33
信長のパーパスを承継のために布石を打つ秀吉組織の後継者にとって先代の意志つまりパーパスを継承するのかしないのかは、事業承継には重要なポイントです。パーパスに共感して参加しているメンバーたちにとっては今後の去就を占う大事なものになります。特に先代と血縁関係にない場合は特に、パーパスの承継が組織の連続性を内外に示す要素になります。本能寺の変の後に残された織田家の人間にとって。血縁者以外の家
2022年2月24日 15:52
パーパスの切り替えによる織田家中の不協和音昨今、欧米企業を中心に広がりを見せ、日本企業でも導入がされつつあるパーパスですが、組織としてのパーパスと従業員個人としてのパーパスの親和性が重要と言われています。組織と個人のパーパスの一致度が高いと従業員のモチベーションはあがりますが、一方で親和性が低下すると働き甲斐はダウンします。不一致が進むと、仕事へのサボタージュや業務でのトラブルが起こったり
2022年2月7日 21:41
信長が掲げたパーパス「天下布武」昨今、海外及び日本においても、グローバルな活動をしている企業が「パーパス」を制定する事例が増えてきています。企業は今まで生活を物質の面で満足をさせる事で社員のモチベーションアップを図っていましたが、社会全体の意識の変革によって金銭や待遇以外でのモチベーションアップが必要となってきました。特に、1980~1995年に生まれたミレニアル世代や、それに続く1996
2021年12月20日 14:19
組織が消失しても志は生き続ける前回の新選組との比較対象として、組織のパーパス(志)に賛同したメンバーたちの事例となる海援隊を取り上げたいと思います。海援隊は、土佐の脱藩浪士である坂本龍馬を中心に設立された組織です。元々は、薩摩藩をバックにした海運事業の組織として長崎を本拠に亀山社中と名乗っておりました。武士が商売するのが珍しい時代に、武士身分の者たちを中心に、船を使い貿易や運送などで利
2021年12月3日 15:54
パーパス(志)の重要性が示す新選組の顛末戦国時代の武士は、自家を守るために、生き残りをかけて、一所懸命に戦ってきました。しかし、江戸時代を経て幕末になると、武士たちは、主家や国、大義のために腹を切るようになります。武士たちの行動基準が大きく変容し自分の利益や名誉のためではなく、広く社会性を意識したものになっていきました。それに伴って幕末に生まれてきた組織も自己の利益のためではなく、理念
2021年7月29日 10:05
若いころ、「戦国武将は英雄やヒーロー」だと思っていました。正義のために悪を討つ姿を求めて、潔いか卑怯かの二元論で、戦国武将を色分けしていました。しかし、中小企業診断士として、企業の経営支援したり、家族や社員の生活を守るために日々戦う経営者の悩みに触れるうちに、戦国武将たちも、現代の企業経営者と同じように、一族郎党を守るために、必死に生き残りを懸けて戦っていたのだと気づきました。正義がど
2021年6月10日 11:37
豊臣政権という市場での優位性確保を目指す黒田官兵衛豊臣政権の樹立における初期段階において、諸大名との取次を行う秀吉の側近集団がいました。豊臣秀長や千利休、杉原家次、蜂須賀正勝、浅野長政たちの中に、黒田孝高こと官兵衛も属して、豊臣家の譜代大名として政権運営を援けていました。官兵衛は、毛利家との外交交渉に、蜂須賀正勝とともにあたったことで、その後、毛利家中の小早川隆景や吉川広家とのネットワーク
2021年5月7日 15:36
諏訪頼忠のイノベーティブな決断で新時代の大名となる一所懸命とは「自分の名字の由来する土地に命を懸ける」という意味・語源の四字熟語です。戦国時代の武士たちにとって、先祖代々の土地は、自分の命以上に大事で、生死を懸けて守るものでした。諏訪家と言うとかなりマイナーな信濃の戦国大名家ですが、2021に週刊少年ジャンプで北条時行を主人公にした「逃げ上手の若君」という漫画が始まった事で、広くその名前を
2021年4月10日 15:21
父義元から受け継いだ公家文化で事業を再構築した今川氏真今川家といえば、戦国時代に当主の義元が、織田信長に敗れた桶狭間の戦いが有名です。後を継いだ今川氏真が、武に疎く、和歌や蹴鞠など公家文化を愛するあまりに、統治が疎かになって滅亡したと思われています。父の義元も、お歯黒で輿に乗るなど、公家の風習に被れてひ弱だったため、信長に敗れたと考えられがちです。実際は、武田家や北条家と渡り合いながら