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藍眞澄
2023年7月30日 00:11
思いがいっぱいあるのに伝える言葉が見つからないとても大切な思いが伝えてもらえないことに疼いているなにか大切なものを落としてきた歯がゆいままだ徐々に濃くなる空に浮かんだ月が明るさを増していく夕べ今日と明日を分けるように飛行機雲が一筋伸びていった
2023年7月26日 06:16
なぜか分からない生きようと思ったなにかに引きずられるようにあの世への入り口を探していたもがいてももがいても糸口がみつからないさらに重い塊になった紐がもつれて重さをさらに増していった運が悪いのだ最初から決まっている運の悪さを嘆く元気もわたしには残っていなかった自分が自分から離れていくのが分かるなにかがわたしの体を引きずって暗い森の入り口に向かわせた草原を抜けて
2023年7月23日 13:09
朝靄が一枚一枚レースを脱ぐように山端の色を濃くしていく神さまの大きな瞳の中で祝福されて一日が始まる見慣れた風景に密やかに潜んでいる何か良い物が見つかる予感に溢れる朝何か良い物それはもしかしたら出会い昨日の自分と違う自分をはっきり分けられる出会いもしかしたら行く方向要らないものを捨て去り無心になって駆け抜けられる方向さあ行ってらっしゃい朝靄を脱ぎ捨て
2023年7月22日 21:55
道の途中で疲れた人に花束を届けようほんの少し心が楽になるようにわずかなひとときだけ会えた見知らぬだれかがほんの少しだけ幸せでいるようにありったけの優しさをこめて花束を届けよう(東部湯の丸サービスエリアのトイレに美しいお花が生けられていました。)
2023年7月22日 07:03
おのぞみなら今日一日この地球のすみっこで生きながらえさせてくださいいちばん新しい今のありふれた景色の連続がほんの少しかたちを変えていつかまったく別の世界になっている一瞬だれか少年のような影が視界をよぎったような気がした視線の先にあるものだけ見つめて真っ直ぐに走り抜ける少年世界の汚れた部分は目に写らない遠い昔そんな日々が確かにあったいつの間にかこのすみっこに
2023年7月18日 11:44
それでも風は吹いている風のふく方向に待っていてくれるものがいる人の心が跡形もなく壊れてしまった粉々になってしまった世界の果てにもちゃんと風は吹いている産声を聞くように背中を押すものがいる生きていることが失うことの連続だとしても失った先に小さなカケラが残るそのカケラはこの宇宙の中でたったひとつおまえがだけが持つ事を許されたもの風が吹く方向にいくために一瞬一瞬を選
2023年7月18日 07:17
山端に人々の生活はきちんとした規則を保ちながら小さな息づかいを滲ませるさらに高くさらに高く伸びられるのを疑うこともなく稲たちが日の光だけを見つめているうっすらと空に溶け合う妙高山の手前家々さえ飲み込むように田畑が勢いを増すくびき野の夏熱い日差しを全て身に蓄え 栄養に変えやがて黄金色に変わる日をゆっくりと待ち始める
2023年7月14日 05:34
美しい言葉を見つけて文字にしようとすると言葉はどんどん自分から離れていく昨日までなかった新しい言葉を文字にしようとすると聞き飽きてうんざりする言葉になってしまうもっとわたしを見つめてもっと心の中を見つめて汚いものがあったらそのまま恥ずかしがらずにそのままそんなことは分かっていてもなんなんだ 邪魔するものがあるどうせこんな自分なのだとたかを括って諦めればいいだけなのに
2023年7月12日 09:06
魚は空の高みを目指して泳いでいる大気圏を超えて星くずたちが語り合う懐かしい空間を魚は覚えていたその空間にいると比べることのない比べられることもないただそのまま 魚はそこにあった生まれる前の懐かしい空間暗闇が数えきれない星くずたちの光を鮮やかに映し出している間もなく朝の光が射し始めると見えなくなってしまうことを星くずたちは知っているそして見えなくなって
2023年7月9日 06:55
恋するなどということはとっくに捨てましたそんな恥ずかしいことはずっと昔に捨てました今は思い出したくもないのです固く重い蓋をして閉じ込めたまま長い長い月日が経ちました恋した人いますよ そりゃ わたしにだってどれもこれも思い出したくない深い傷になりました素敵な思い出なんかじゃありません恋の歌は聞きたくありません深い傷がうずきだすいつだってそうその代わり恋の心が
2023年7月7日 21:11
微かに見える小さな星と星がぶつかり小さく響いた辺りでとても懐かしく大好きだったあの人と もういちど会おう降りしきる星の欠片をよけてその人に 傘をさし出したい星の欠片に 濡れないように注意深く空の奥深く目指してゆっくりと一歩ずつ一歩ずつ物語の続きをもう一度描いてあの人の大切な人たちが 幸せでいますように心から願おう今夜かぎりの物語は朝の光を待つことなく書き記した
2023年7月5日 16:37
マンゴーをお届けしました土を耕し水を撒き時を知って栄養を与えやっと大きくなりました台風が近づくと細心の注意をはらって雨や風から守り大きく大きく育てました収穫され選別され贈る人の心を届けるために箱詰めしましたそっと潰れないように両手で包み溜め込んだ陽射しが明るいうちに一気に閉じ込めました夏の日の夕焼け色にしっかり染まったマンゴーがあなたに届く頃ラピ
2023年7月5日 09:51
しっかり大きく育ったもう私がすることは何もない古い角を落とした何もない軽くなった身体で草を喰むいくぶん眩しさを増した風が遥か昔に続く草月を吹き渡ってくるとらわれることがないように風が牡鹿の頭上で渦を巻き祝福するように去って行った春の日牡鹿はとらわれることなく草原を駆け抜けていった自由の重さは日増しに増え生きることの責任もちゃんと分かった7月の満月に照らされ
2023年7月2日 00:45
星くずの光を編んで小さかった頃の記憶を結んでみる結び目から懐かしい匂いが溢れてきたらありったけの力をこめて光の糸を投げてみようずっと昔からわたしを待っているものがいる光の糸がいく先にわたしをじっと待っているものがいる #スキしてみて