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112「詩」くびき野・夏


山端に
人々の生活はきちんとした規則を保ちながら
小さな息づかいを滲ませる

さらに高くさらに高く
伸びられるのを疑うこともなく
稲たちが日の光だけを見つめている

うっすらと空に溶け合う妙高山の手前
家々さえ飲み込むように
田畑が勢いを増す

くびき野の夏
熱い日差しを全て
身に蓄え 栄養に変え

やがて黄金色に変わる日を
ゆっくりと
待ち始める

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