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アマデウス(1984年)【赦してくれ。映画紹介する作品をずっと間違えてた「え?」】

旧作名作。
これは高校の音楽の授業でフル視聴した。
先生、さぼり・・・いや、本当に語りたかったのかもしれない。

まあ、退屈な授業よりはよほど勉強にはなるしね。

***

天才モーツアルトの横には、
天才に嫉妬していた凡人がいた。
それがアントニオ・サリエリ。
彼は平民から努力の果てに皇帝の作曲家に出世したが、
彼の終生の努力を、天才はあっさり跳躍していく。

あまりの天才と凡才の落差に絶望したサリエリは、
モーツアルトを暗殺した・・・
という都市伝説があるのだが。

***

作中ではひたすらサリエリが天才に嫉妬する場面が繰り返される。
しかし、都市伝説のように危害は加えない。
せいぜい嫌がらせであったり、
嫌がらせをしようと思ったら逆効果になったりと、
悪人にはなれないサリエリが描かれる。
そういう意味でも凡才なのだ。
凡才は悪人にもなれない。

もちろんモーツアルトミュージックをBGMにガンガン使いながら、
凡才の葛藤を描くのである。

天才は別に、善人ではない。
奇人である。むしろはた迷惑な存在ですらある。
下品であり、空気を読まず、サイコパスである。
凡才は天才のせいでいつも酷い目にあう。
それでいて、天才は理不尽にも凡才の努力を一瞬で凌駕していく。
この理不尽。

ネタバレしてりゃんす。

しかし結局、最後の一線を越えない。
それどころか天才は病に潰える。
その傍らで凡才はほくそ笑んだだろうか?

いや、天才の作業を手伝い、
それによって天才の感じてる感覚を、
ぎりぎりまで感じ取ることで愉悦していた。

なんという卑小さ。
これが天才と凡人の差だというのか?

凡才は卑屈なのか?
いや、憧れだったんだ。
ただ憧れていたんだ。

・・・というか、そんなとこばかりが目についた。
若かったのかな。それ以外は詳しいことは分からなかった。

・・・・・

ああ、これはイカロスの物語と同じなんだ。
音楽に憧れて飛び上がった勇者は、
「本物」に出会ったとき、それに焼き落されることになる。
そしてすべてを失うが、
それは果たして不幸なことだったのだろうか?

いや、このアマデウスに至っては、
そればかりではなく、本物もあえなく死ぬ。

そしてサリエリは太陽の無くなった世界でひとり老いる。

後悔していたのだろうか?
空の青さを知らなければ、知ろうと思わなければ、こんなことには。
それとも・・・

その心境はおそらく我々にはほとんど理解できない。
憧れることさえ、ほとんどありえない。
ただ憧れるだけにも才能が必要だからだ。
凡人は憧れようとすら考えないからだ。

たとえ焼かれる定めであっても、飛ぶ。
それが、芸術家の才能そのものなのだ。

結論:サリエリもまた凡夫ではなかった。
本当の凡夫は我ら視聴者だったのだ。
「赦してくれ」

****

タイトル画像はフリーピクから持ってきてみました。
著作者:kjpargeter/出典:Freepik</a>

↑ テーマ曲フルバージョン

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