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心の断捨離

本当に大事なもの

 皆さんは断捨離(だんしゃり)というのをご存じだろうか。必要でないものを出来る限り処分することで、自分により必要なものが手元に入ってきやすくなるというおまじないのようなものだ。これが本当に効果があるのかは、、、よく知らない。しかし、これを人の心に当てはめると実感で理解出来た。一つの部屋に入るものに限度があるように、人の心にも限度があるのだ。部屋に入るもの、つまり、思考、拘り、執着、他にもあるだろうが、一番重いのはこれらだろう。
 一つ例え話をする。あなたがショッピングモールで買い物をしているとしよう。あなたは一人だ。あなたは入り口近くのお店から、なんとなく欲しいものから、人がいいと思うようなものまで片っ端から買って荷物として抱えていく。あなたは両手一杯、首からも荷物をぶら下げている状態になったころ、本当に欲しいものが最後のお店で売っていたとする。もう持てない。あなたはどうすればその欲しいものを手に出来るか。答えは簡単だ。他の荷物を降ろして返品でもなんでもすればいい。
 この例え話でわたしがなにを言いたいかおわかりだろうか。拘りや執着は常に抱えている荷物だ。それを抱えながら、大事なものまで抱えることは出来るだろうか。出来るのならば結構。しかし、もしあなたが精神障害を抱えているのならば、それが本当に大事なものか、常に抱えていなければいけないものかよく考えて欲しい。わたしたちは、ある程度の妥協が必要だ。あれもこれもと欲張って抱えていては、体調を崩してしまう。立派な人間じゃなくてもいい。なんとなく無難な人間でいいではないか。なにごとも、いつでも笑って過ごせる人間が一番幸せなのだ。
 ただ、拘りや執着は、人によってはかなり根深い。インナーチャイルドが本格的に騒ぎ出す内容であると一筋縄ではいかないだろう。だが、それが必要なことであるならば、戦って説き伏せることで、もう自分の中で戦争は起きないだろう。


 ごちゃごちゃいろいろ言いましたが、一番大事なことは、その人にとってなにが大事でなにを守りたいか、だと考えています。さらに掘り下げると、なにを大事にしたことでなにを犠牲にしてきたか、です。うつ病の方の多くの場合、周囲を大事にしたことで自分を犠牲にしてきた方が大多数でしょう。わたしがこのことで一番声を大にして言いたいのは、自分を犠牲にしたことでつらい思いをしたのは誰か、ということです。もちろん一番はご本人。では二番目は?おそらくご家族、ご友人でしょう。「周囲」というのがざっくりとしすぎた表現でしたが、わたしは「他人」という意味で使いました。他人を優先したことで、身近な大事な人たちにつらい思いをさせてしまったわけです。これをしないためには、自分を大事にしなければならない。自分を大事にするためには、いらない荷物は降ろしましょう。抱えたままでいるとまた身を持ち崩します。まずその現実から受け入れましょう。荷物を降ろすには、なぜその荷物を今抱えていられないのか自身に納得させる必要があります。自身に根気よく言い聞かせていく必要があります。言い聞かせを始めると、自身は「でも」「だって」を連発してきます。これを言わなくなるまで言い聞かせることが出来たとき、初めて荷物が降ろせます。本当に楽になります。お試しあれ。

では、また。
皆さんの行き先に明るい未来がありますように。

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