マガジンのカバー画像

法人税シリーズ

14
運営しているクリエイター

#税金

創立記念パーティー費用は福利厚生費?交際費?②

創立記念パーティー費用は福利厚生費?交際費?②

 今日は前回に引き続き、創立記念パーティーの費用について争われた裁判例をご紹介したいと思います。

 前回は、そもそも社外の専属とは言えない取引先も交えてのパーティーであったため、「社員と社外の人間に対するおもてなしの費用」とみられ交際費と認定され、福利厚生費だったとしても「一人当たり単価が1.2万円程で福利厚生費というには高い」と裁判所が判断した事案でした。
 今回は純粋に従業員と専属取引先だけ

もっとみる
創立記念パーティー費用は福利厚生費?交際費?①

創立記念パーティー費用は福利厚生費?交際費?①

 今日は会社の創立記念パーティーに係る費用が福利厚生費となるか交際費となるかについて争われた事案を取り上げたいと思います。
 ちなみに先に結論を言うと、今回の費用は交際費等に当たるとして会社が国税に負けているのですが、その理由がそもそも今回の創立記念パーティーには社外の下請業者が含まれていたため、この時点で福利厚生費該当性が否定されてしまっているのですが、裁判所は福利厚生費と認められる場合であった

もっとみる
法人税シリーズ〜自宅を社宅にして節税〜

法人税シリーズ〜自宅を社宅にして節税〜

 今日は法人を設立する利点の一つとしてよく挙げられる「社宅を利用した節税」をご紹介したいと思います。
 ネットや書籍でも溢れている内容なので今更感があるかと思いますが、せっかく法人を設立しているのにこの方法を利用していない事業者が非常に多く見受けられます。 
 これは、税務調査を行っていた時から思っていたことで、税理士業界にやってきてその理由がなんとなく分かってきましたが、今回はその点は割愛させて

もっとみる
法人税シリーズ〜社員旅行は給与課税?②〜

法人税シリーズ〜社員旅行は給与課税?②〜

 今回も、前回ご紹介した社員旅行費用が給与課税されるか否かについて争われた類似の裁決事例をご紹介したいと思います。

<iframe class="note-embed" src="https://note.com/embed/notes/ndee5a831f49d" style="border: 0; display: block; max-width: 99%; width: 494px; p

もっとみる
法人税シリーズ〜社員旅行は給与課税?①〜

法人税シリーズ〜社員旅行は給与課税?①〜

 今回は、判断基準が非常に曖昧で実務判断に困る福利厚生費と給与課税の区分けの論点の中の「社員旅行」部分の裁判例を取り上げていきたいと思います。
 
 その前にまず、福利厚生費と給与課税の関係について簡単に確認してみます。

給与とは?  まず給与所得の意義としては、「雇用契約又はこれに類する原因に基づき提供された非独立的ないし従属的な勤労の対価としての給付に係る所得」をいうのですが、今回この点を充

もっとみる
法人税シリーズ〜修繕費と資本的支出②〜

法人税シリーズ〜修繕費と資本的支出②〜

 今日は前回から引き続き、建物に対する防水工事と外壁塗装が修繕費となるか、資本的支出となるかが争われた裁決事例をご紹介したいと思います。

 ちなみに、今回の事例は所得税法の事例ですが、考え方は基本的に同じなため法人税シリーズの続きとさせていただきます^ ^

<iframe class="note-embed" src="https://note.com/embed/notes/na898d0c

もっとみる
法人税シリーズ〜修繕費と資本的支出①

法人税シリーズ〜修繕費と資本的支出①

 賃貸マンションの外壁塗装や屋根の補修工事、車のタイヤ交換、自社ホームページの更新等、既存の資産に対する新たな支出をした場合にその支出が「修繕費」に当たるか「資本的支出(=資産計上)」に当たるかという点は、経理に携わっている方が日々直面する悩ましい事柄の一つかと思います。

 そして、この点については、相談を受ける税理士としても悩ましいことには変わりありません笑

 今回は、この論点についての裁決

もっとみる
法人税シリーズ〜会社が全額負担した忘年会費用は福利厚生費!?②

法人税シリーズ〜会社が全額負担した忘年会費用は福利厚生費!?②

 今日は前回取り上げた社内交際費と福利厚生費の判断基準の続きです。

 前回は、会社が全額負担した社内での従業員同士の飲み会費用が福利厚生費と認められた裁判例を基に福利厚生費該当性の要素を確認してみましたが、今回は逆に社内交際費と認められてしまった裁判例からその要素を確認してみたいと思います。
<iframe class="note-embed" src="https://note.com/emb

もっとみる
法人税シリーズ〜少額減価償却資産の損金算入で注意すべき4つのポイント!①

法人税シリーズ〜少額減価償却資産の損金算入で注意すべき4つのポイント!①

 今日は、「法人が出来る手っ取り早い節税方法はなんでしょう??」という問いに対する答えの一つとして多くの税理士が挙げる「少額減価償却資産の損金算入」についての注意点をご紹介したいと思います。

少額減価償却資産の損金算入の概要 本特例は、従業員500人以下の中小企業者(原則資本金の額が1億円以下の法人)が1個当たり30万円未満の減価償却資産を取得した場合にその全額を取得した事業年度の費用(損金が正

もっとみる