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実録 学校現場では

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#17 休むことは悪いことなのか?

#17 休むことは悪いことなのか?

ある先生が言っていました。

忙しすぎて休みがない。
休日が欲しい。

教師だけでなく全ての仕事には休日があるはずです。
24時間365日休みなく働き続けるなんて普通の人であればできることではありません。

その先生曰く、3ヶ月くらい一度も休日を取っていないらしい。
本当にそうなのであれば、同情します。

しかし、気になるのは「休日が欲しい」という言葉。

果たして休日は誰かから貰うものなのでしょ

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#16 学校と文理選択の矛盾

#16 学校と文理選択の矛盾

高校時代、文系と理系を選ぶ、いわゆる文理選択。
学校それぞれで仕組みや呼び名の違いはあると思いますが、私の勤務校でも文理選択の時期になってきました。

皆さんはどうやって選びましたか?

進路や将来の夢
好み
得手不得手
親からの勧め
etc...

さまざまあると思います。

今回はそんな文理選択のお話です。

なぜ選択するのか

高校生にとって、文理選択は大きなターニングポイント。
大人になっ

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#14 講師に対する雑な扱い

#14 講師に対する雑な扱い

教師という仕事をやってきて、すごく不思議なことがあります。

教師は教師を育てる義務がない、ということです。

大学を卒業したての教師、いわゆる新卒の教師の中で、採用試験に合格し、「正規採用」された新卒教師に関しては、指導担当の教諭が配置されます。

ただ、卒業年に採用されず、「講師」として働く選択をした「非正規」の新卒教師には、指導担当の教師なんてものは付きません。

ほぼ同じであるのにも関わら

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#13 授業の実態と疲弊する先生たち

#13 授業の実態と疲弊する先生たち

定期考査の時期になりました
新学年の初めての定期考査。
日々の授業の成果を発揮してくれるのか…



生徒は「テスト勉強」の成果を発揮してきます。

今回はそんな生徒たちと対峙する先生たちの姿を考察していきます。

この内容は中学、高校段階の授業について述べていきます。

授業とテストは別物?

私たち教員の本業である「授業」、その定着度を測る「定期考査」

その二つは切っても切り離せない関係の

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#12 「生成系AI」は「教師の壁」を越えられるのか②

#12 「生成系AI」は「教師の壁」を越えられるのか②

#11で 、「生成系AI」について、それは学校現場に持ち込まれるのかを考察しました。よければ、①をご覧になってから、こちらをお読みください。

今回はその続きです。

学校で「正誤」「真偽」が問われる行為には「生成系AI」を使わなければ良い!

①で、このようにまとめていました。
もっとわかりやすくまとめると

正答がいらない場面で「生成系AI」を使う

です。

今回はそれを踏まえて「教師の壁」を

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#11 「生成系AI」は「教師の壁」を越えられるのか①

#11 「生成系AI」は「教師の壁」を越えられるのか①

「『AI』の発展により人間の仕事が奪われる!」
という決まり文句。

近年、人工知能(AI)の飛躍的な発展により、私たちの生活は大きく変わりつつあります。より良くなる分にはいいですが、最初に挙げた文句のように危機感を覚える人も少なくありません。

教育現場も「AI」の恩恵を受け、それを活用した教育ツールや学習支援システムが次々と登場しています。この変化は、教師の役割や仕事にどのような影響を与えるの

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#10 「教師」というの仕事②【教科指導】

前回は教師という仕事について概要を述べてみました。

今回は「教師」という仕事の「教科指導」にフォーカスして書いていきます。

「教科指導」とは

「授業」です。

「授業」を成り立たせるために、事前準備及び事後処理は欠かせません。
学校や教科によっては、これに莫大な時間がかかります。

わかりやすい板書計画を立てたり、プリントを作成したり、小テストを採点したり、課題をチェックしたり…

教師それ

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#9「教師」という仕事①

#9「教師」という仕事①

教師になって早8年。

担任もやった。たまたまいろんな分掌の仕事に関わることができた。新しい取り組みの主任もやった。
初めて1年生から受け持った学年も、もう社会人。

そんな中でこの「教師」という仕事の多様さを強く意識することが多くありました。

今回は、そんな「教師」という仕事について述べていこうと思います。

「教師」は忙しい?

まず「教師」の仕事とその優先順位をざっくり紹介します。
優先順

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#8 STEAM教育って?


STEAM教育とは

STEAM教育は、

Science
Technology
Engineering
Art
Mathematics

の頭文字をとったもので、これらの領域を融合して学びを促進する取り組みのことです。

私が勤めている自治体でも、「一応は」通達がありました。
新学期が始まり、気まぐれに書いていきます。

日本の「STEAM」の具体的な科目とは?

正直、STEAM教育と言われ

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#7 夏休み

#7 夏休み

夏休みといえば…

私にとって、夏休みといえば、小学生の頃は「遊び」。中高生の頃では「部活動」。
宿題もたくさん出されて、小学生の頃は難なく終わり、中高生になると、部活で疲れた後に課題などやれるわけもなく、お盆や夏休み最終日に答えの丸写し。高校2年生の時に至っては、「課題をしない」という選択をして、めちゃくちゃ怒られた記憶が懐かしいです。

そして、私の立場が「先生」となった今、「夏休み」といえば

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#5 教師の転勤③

#2 、#3と教師の転勤、とりわけ初任者の転勤について述べてきました。
#3の転勤をすることで得られるものとして

特殊な転勤希望の方法が使える

と紹介しましたが、今回は、その「特殊な転勤方法」について述べていきます。

通常の転勤の仕方
#2 .3でも触れていましたが、初めて教諭として採用された初任者は、大体3年目から転勤の機会が与えられます。3年というのは、各自治体によってさまざまな基準があ

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#3 教員の転勤②

#3 教員の転勤②

#2教師の転勤 ①の続きです。
#2では 、教師の転勤について、思うところを述べました。
人事異動の基準や決定の仕方は正直、平の教師にはわからないことの方が多いです。
生徒がクラス替えの仕組みがわからずに、色んな噂を立てているように、教師の間でもいろんな噂があります。
きっと単純に教科バランスや要望等の要素が組み合わされて決定しているのでしょう。

転勤によって得られるもの

ここで述べたいのは、「

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#2 教師の転勤①

#2 教師の転勤①

「教師」

教育公務員として働いて7年目。
まだまだ「若手」と呼ばれる経験年数であるようです。

教職において重要とされるのは、知識や技術の習得だけではなく、教育者としての熱意や人間性も求められる。職務上、重視すべきなのは、一人ひとりの生徒を見つめ、あらゆるサポートを提供すること。

しかし、教育公務員が直面する道である、「転勤」は、どれだけその学校で頑張っていようと、転勤対象者となれば、本当に特

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