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ネタバレ記事を読んでから映画を観る、不安症な若者たち。

こんにちは。久々に映画の話を。
といっても感想レビューとかではないです。

いろいろと話題になった『ファスト映画』問題。映画のおおよそのあらすじをネタバレ込みで5~10分程度に凝縮し、その内容を細かく解説することで『10分で見た気になれる』ことを売りとしたコンテンツであったが、著作権等法律問題に触れたことによって逮捕者を出すことになった、というのが一連の流れですね。

私自身、最近なかなか映画館に足を運ばれていないものの、映画館で映画を見るというところにはある程度重きを置いている人間です。それは、配信では得られない迫力とか、体感というものがあるから。暗いシアターの中でいくばくかの人が同じ時間を過ごし、同じスクリーンを見つめ、同じ世界に浸る。その経験と時間に対して、私はお金を払っていると思っています。

だから、『ファスト映画』問題が出てきた時には、正直悲しかったというか、作り手の情熱をあまりにも残酷に削いでしまう、そんなコンテンツじゃないかなと首をかしげていました。これなら、オチまで話さずちゃんと面白そうに思わせてくれる映画評論家の方がよっぽど良心的なんじゃないかな?って思ったりして。


そして、それに関連してもう一つ。最近の若者の間では『ネタバレ記事』を先に読んで結末を知ったうえで映画を見る人が多くなっている、というニュースが報じられていました。これにも正直、私はショックというか衝撃を受けていました。アーティストのライブじゃあるまいし、ネタバレ見てから行くってどうなのよ・・・?ってちょっと懐疑的にならざるをえなかったり。

ファスト映画にしろ、ネタバレ記事にしろ、その根底にあるのは『時間を無駄にしたくない』という意識なんでしょう。悲しい結末や納得行かない展開を強制的に見て損をするよりは、ある程度自分の許容範囲内にあるストーリーの映画を見て、ちゃんと満足をしたい。だから先に結末を知る。…ということだと思うんです。

楽しみ方に関しては人それぞれいろいろなスタイルがあると思うので、別にネタバレしない方がいいでしょ!!とか、絶対そんなことしちゃだめだよ!!と私個人の意見を押し付けたりすることはしませんし、全然好きにしていただいたらいいんじゃないかぁと思います。

ただ、想像力を発揮したり伸ばしたりするのが苦手な人が、この先増えてしまうんじゃないかなぁという危惧がひとつありまして。というのも『読めそうで読めない展開がある』ていうところに、映画の一つの魅力があると思っているんです。

こんな展開になるってことは、もしかしたらこの先あの主人公がこうなるんじゃない?って物語が進む中で想像をして、それが当たったり大外れしたりすることに一つの興奮というか、ワクワクが得られるんでしょう。が、それが無くなってしまった時に、果たして人の想像力ってどうなってしまうんだろうか。あらかじめ結末の分かる予定調和の話を観ることに、意味はあるんだろうか。そう思わざるを得ない自分がいます。


というよりかそもそも、そういう大まかな展開を知りたい人のために『予告編』っていうのがあるんだから、それを見るだけではダメなのか?とも思ったんですが、予告編だけじゃオチもどんでん返しもわからないし、結局そういう層にはあんまり意味がないのかなぁ、とちょっと堂々巡りな考えを頭に浮かべたりもしていました。

最近は映画公開後に『冒頭15分映像公開!』みたいな感じで、YouTubeとかで実際の映像を配信したりすることも珍しくなくなりましたよね。だからもういっそ公式が『ネタバレ動画!』って感じで宣伝の一環で動画を配信してくれたらかなり面白いことにはなりそうだけど、そんなことやる勇気のある配給会社なんてないだろうしなぁ・・・俺がプロモーターなら正直ちょっとやってみたいかもって思ってますけどね・・・。

まあとにかく、私が言いたいことを一言で表すなら『小難しい事考えなくていいから、映画の世界に飛び込んでおいでよ』ってことです。

たまには、作品を信用して2000円出してシートに深く腰掛けて、自分が素直に見たいと思った作品に没頭するような、そんな時間を作ってあげてよ。忙しくて全然映画館行けてない俺が言えたもんじゃないけどさ。映画っていいよ。本当に。



おしまい。



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