記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』を観た話。

【注意】本記事には、劇場公開中の映画の結末などを含んだ #ネタバレ となる内容が書かれています。本作およびコンフィデンスマンJPシリーズを鑑賞予定の方はその点に十分注意していただき、お読みくださいますようお願いいたします。

「英雄って何なのかしらね」。長澤まさみ扮するダー子の問いかけが、今も頭から離れない。何度見ても、頭から離れない。

映画「コンフィデンスマンJP 英雄編」。第1作「ロマンス編」、第2作「プリンセス編」に次ぐ第3弾として2022年1月14日より全国公開。既に興行収入30億を射程圏内に入れるロケットスタートを切っている。


もはや説明不要だが「コンフィデンスマンJP」シリーズは、ダー子(演:長澤まさみ)・ボクちゃん(演:東出昌大)・リチャード(演:小日向文世)という3人の信用詐欺師=コンフィデンスマンが、巨額のマネーと世紀の悪人を掌の上でコロコロと転がす、痛快騙し合いエンターテイメントである。

今回は世界有数のタックスヘイブン・マルタ共和国を舞台に3人のうち誰が一週間で最も多く金を騙し取れるかという「ザ・ラストコンゲームグランドフィナーレバトルロワイヤル」が開幕する。狙うターゲットは、スペインのスーパーリッチな元マフィア。その価値20億円とも称される幻の秘宝「踊るビーナス」に狙いを絞り、巧妙に近づく3人。しかし、事態は誰もが予想しえなかった思わぬ方向へどんどん転がっていく・・・。

通常のパターンならダー子・ボクちゃん・リチャードがガッチリとチームを組んで騙し合いが展開されるのだが、今作はシリーズの中でも珍しく、3人がそれぞれの陣営に別れて騙し合う単独戦となっている。このようなスタイルは「運勢編」(ロマンス編公開を記念してテレビ放送された2時間の特別編)以来だ。


映画3作目ということもあり、ストーリー運びや随所にちりばめられたメタ要素、そして観客を騙していくトリックの数々はもはや安定の域を超えている。それに加えて今回は、ストーリーの進行中にどんどん視点が入れ替わっていく仕組みになっている。3人の乱打戦ということもあり、映画終盤にすべてのネタバラシをするのではなく、それぞれの人物の視点から見た「事実」を順番に明かしていき、最後の最後に大オチを付ける。という今までのシリーズよりかなり変則的な構成となっていた。

これの変則フォーマットのせいで、観客は「何が本当なんだ?」と疑い出し冷静な視点を失う。一体だれが黒幕なのか?という推理が苦手という人には理解が追いつかないかもしれないが、このフォーマットのおかげで、最後の大オチに箔が付く。「おいおい、今回も結局全部こいつの手のひらの上だったんじゃねーか」っていう綺麗などんでん返し。たまらん。鑑賞後の爽快感がこれほど強い邦画はなかなか無いと思う。

中でも、今作一番アツい立ち回りだったのが、赤星(演:江口洋介)、謎の女(演:真木よう子)、そしてマルセル(演:瀬戸康史)。この3人はマジで最初に刷り込まれたイメージを大きく裏切ってきた人たちです。特に赤星とか…あんた顔ベリベリベリーって!!あんた顔ベリベリベリーってしてますやん!!って感じでした。

正直、今回はしきりにラストラストと言っているが、映画を観終わった後もこのままシリーズが終わる気が全くしない。なんならあと10年は擦り倒せる気がする。出演陣も次回作をバンバン匂わせてるし、ぜひとも令和の寅さん目指して頑張ってくれ、稀代のコンフィデンスマンたちよ。


・・・・・・・・・・・・・・・・


というわけで、今回は
映画「コンフィデンスマンJP 英雄編」のレビューでした。

引き続き、読者の皆様から映画レビューのリクエストを受け付けております。この作品をレビューしてほしいというリクエストがありましたら、下のURLから「募集のお知らせ」に飛んでいただき、コメント欄の方に投稿をお願いいたします。瑞野が責任を持って、レビューさせていただきます。

https://note.com/mizuno_aohito/n/n4ebe684abeca



おしまい。