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快談水宮チャンネル

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実体験、実話怪談集。不思議なおはなし。
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#実体験

怪談水宮チャンネル⑥

怪談水宮チャンネル⑥

①虹にさわる

生まれ育った「姿見の池」での話。
大人の足で3分ほどで周れる位の大きさの池は、鯉や蛙が多く棲み、岸辺には花菖蒲の茂みがあった。
ある日その池の小さな橋に、それこそ3メートルほどの長さの虹がかかったことが一度だけ、ある。

父系一族で住んでいたので皆出てきてわあわあと見ていた。
3つだった私は、虹が生えている池の岸辺を見ていた。どうやって生えているのだろう?

私はトコトコ歩いて行っ

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怪談水宮チャンネル⑧

怪談水宮チャンネル⑧

①悲しみの鳥たち

朝、駅を降りると夥しい数のカラスの群れが街の上空を飛んでいた。
私の現場によくいるからだの大きなカラス。私はカイと呼んでいた。
いつもならそんなことは決してないのだが、カイはその朝通用門の上に出張って止まっていた。
電車の中からすでに胸苦しさと異常を感じていた私はカイに言った。
「分かった。何かあるのね?心して行くわ」

職場はとんでもない騒ぎになっていた。皆勤賞の上司が自分の

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光る水

光る水

アニメ「蟲師」のDVD を寝しなによく、映す。
質素な人物や描写よし、古の和楽器音やガムランのような音楽よし、深々とした物語よし、潔さも。
華美で光速爆音の今日びのアニメとも昔のどの作品とも一線を画す。
なんというか、舌が狂いそうなグルメではなく「麦飯」のような。
酒を舐めながらそれを眺めているうちに眠ってしまうこともある。

先日ふと視直していて愕然とした。
「光酒(こうき)」という名でしばしば

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神さまの姿

神さまの姿

「神さま」がどんなかたちをしてるか
ありきたりなことしか想像してなかった
白い衣の老人や
後光の差した仏像や

でも不思議に思った
けものたちの
鳥たちの
虫たちの
草木たちにとっての神さまが
「ヒトのかたち」なんかしてるかな?
自分たちを脅かしたり間違った接し方もよくするヒトが
あいつらにとって「神さま」に見えてるの?
勝手に世界の王みたいに独裁したがり
仲間すら憎み蔑み傷つける「ヒト」なんて生

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怪談水宮チャンネル (12 )Help from my friends

怪談水宮チャンネル (12 )Help from my friends

『開き始めたきっかけ』

長年の親友の男がいた。美味しいプレートと飲み物を出すカフェを当たらせてた。
私の例に漏れずしんから「男同士」のような付き合いだった。高学歴で線が細く、昭和文学と漢文と落語と酒にかぶれた優男のそいつと「豪放磊落な」私とは不思議に気が合った。
「水宮とは昔、中国で友達だった気がする」目の縁を赤くして夢見るように言えば私も
「お前とか?日がな山中の庵で酒飲んじゃ詩とか歌いっこし

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スモークパイ

スモークパイ

究極のお菓子
わたしの煙のパイ
でも特別なコンビニで
特別ないつものお姉さんから買わなきゃだめで
うんと掃除してクタクタになったあと
クーと安いワインを飲む
その時にしか出来ない

最初にジャンルを選ぶ
アートかワークかファミリーかホビーかフード、その他
樹木の下で
どの枝にどれが実るか
一番分かるのは小さい頃
うんと下からだと全部見える
どれが好きかもすぐわかる

あれがいいな
その枝に遊ぶ可愛

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ロプノール日記 Everyone Everything Tells Me The Way

ロプノール日記 Everyone Everything Tells Me The Way

未成年猫小次郎のションベンファイト(シャンパンファイトじゃない)について何度か書いてきた。
が先日ふと、全面放棄した。

理由の一つにエックハルト・トール氏の著述を知ったことがある。
その名はよく見聞きする。内容は偶然とはいえ以前から「アレレ?」となんとなく気がついてやり始めたこととも通底していたのでまったく違和感がなかった。タオや神道の「中今(なかいま)」なんかもその一種。ヒトも生き物も草木もモ

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