古今のふれあった俳句作品についての所感を記録しておくノートのまとめです。作品にふれあうというのは、きわめて個人的なことで、古典として名高い名句とか、コンクールの優秀作品とか、そう…
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#俳句
#25 別るるや柿喰ひながら坂の上 惟然
別るるや柿喰ひながら坂の上 惟然
誰との別れかというと「翁に別るるとて」とあるから、師の芭蕉との別れである。
別れの時が来て、柿を齧りながら坂の上から去ってゆく人を見送った。それだけのできごとだが、とても好きな句だ。
別れてゆくのは、敬慕してやまない師である。
惟然の人となりを思い合わせると、この句を初見した時のおおらかなものだという第一印象とは、ちょっと違ってむしろペーソスの漂う感じ
#10 動く葉もなくておそろし夏木立 蕪村
鬱蒼とした夏木立の道を行く。
行く手も、振り返っても、森はまったくの無風で、葉っぱ一枚動いてない。
静まりかえっている、不気味、おそろしい。
そんな感じだろうか。
関東平野の水田地帯に生まれたので、身近には小さな雑木林はあったものの森林とまでいえるような場所は無かった。
何度も書いてきたが、武蔵丘陵森林公園は自分にとって心身のリフレッシュの場であるのだが、平日の人気のない林間の道