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「毎日出勤で強制的にコミュニティ発生」こそが会社のパワーの源泉”だった”

「毎日出勤」というしきたりによって、
強制的に一箇所にコミュニティを発生
させていたのが、
会社という組織形態
なんだな、と最近つくづく感じています。

とりわけ、出版社のような、
装置を持つわけでもなく、
商品制作の大部分をアウトソーシングしている
会社は、その機能こそが肝なのだと思います。

■出版社の財産はオフィスに固着しているのかもしれない

「出版社の財産とは何か」
という問いは、以前からよく挙がっていました。

出版社は、漫画が描けるわけでも写真を撮れるわけでもデザインができるわけでもない人たちが所属している会社で、
印刷機を持っているわけでも、書店流通を持っているわけでもありません。

それに対して、
人こそ財産だ、とか、企画力こそ財産だ、とか
いろいろと言われてきました。

でも、実はものすごくフィジカルで、場所に固着しているものだったのかもしれません。

日々、オフィスという場所に
・クリエイティブ能力の高い人たち
・その能力を活用したい人たち
が集っている、という状態こそが、
出版社の財産だったのかもしれません。


私は(今のような状況になる前から)
打合せ相手を自分たちのオフィスに呼びつけるのがどうも好きでなく、
なるべく、打合せ相手のオフィスに行くように心がけてました。

しかし、「会社のパワーを育成・維持する」という観点からは、
自分たちのオフィスに集合してもらう
というのは正しかったのかもしれない、とも感じています。

(私の場合、「外に出て思考を広げたい」という目的が重要だったので、間違ってたわけではないですが)

■でも「毎日出勤」は場の魅力を減退させる

そう考えていくと、テレワークが広がることは、すなわち、
出版社の主要な機能を弱らせていくことになりかねません。

日々の業務は、テレワークに非常に適しているので、
おそらく、今後(多少の揺り戻しはありつつも)テレワーク化は進んでいくでしょう。

しかし、「日々の業務がテレワークに適している」ことと、
「会社のパワーを維持する」こととは別物です。


だからといって、「毎日出勤」を復活させるという判断は本末転倒です。


先日、「テレワークだとサボっててもわからないから困る」
と言ってる管理職者がいました。

気持ちはわからなくもないですが、
「テレワークだからサボる」という人は、出社しててもサボってたはずです。

そういう人をコントロールしようと労力をかけることこそが、
場の魅力低下につながります。

完全に時代の流れと逆行しています。

■集まろうと思わせる魅力をどう発信していくか

強制的な「毎日出勤」に頼らずに
「ノウハウ、情報、才能、ネットワークが集積する場所」をどのように構築していくか、そして、
そこに自発的に集まろうと思わせる魅力をどう発信していくか
が今後の組織運営の鍵になってくると思います。

特に、クリエイティブ産業においては、
それこそが勝敗を分ける場面が続々と出てくると思います。


しかし、出版社は、そういう発信が苦手ですから、
これから結構、苦しいことになるかもしれません。

他者のコンテンツや情報を発信していく能力を
自分たち自身の発信にどう活用していくか、
そろそろ本腰を入れて取り組まないといけない時期がやってきたのではないでしょうか。



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