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#時代伝奇
歴史小説的文法で描く、『モノノ怪』ヒロインの「強さ」と「弱さ」 仁木英之『モノノ怪 鬼』
新作劇場版が公開され、大ヒットしたのも記憶に新しい『モノノ怪』。その『モノノ怪』の完全新作ノベル――仁木英之によるスピンオフ小説の第二弾です。今回の舞台は、戦国時代末期、九州平定を狙う島津家に抗う人々が暮らす地・玖珠。そこに現れる四つのモノノ怪を巡る、連作スタイルの長編です。
時は1580年代後半、九州で大きな勢力を誇っていた大友家が島津家に耳川で惨敗して数年。以降、九州制覇を目論む島津家は
乾緑郎『戯場國の怪人』 史実と虚構、この世とあの世を股にかけたスーパー伝奇
ミステリと並行して独自の時代伝奇小説を描いてきた作者によるオペラ座の怪人オマージュ――に留まらない、凄まじい奇想に満ち満ちた物語です。女形の溺死の謎を追ううち、市村座に潜む謎の怪人と対峙することになる平賀源内や深井志道軒たち。一連の怪事の背後に潜む「戯場國」の驚くべき姿とは……
宝暦十三年の夏、舟遊びをしていた市村座の役者たちの一人・荻野八重桐が怪死した事件を、作品にするよう依頼された戯作者
月村了衛『コルトM1847羽衣』 伝奇×ガンアクション! 激突する哀しく熱いアウトローたち
現代を舞台とした骨太のアクションを中心に描いてきた作者ですが、時代小説の分野においても幾つものユニークな作品を発表しています。その一つである本作は、コルトM1847を背負った女渡世人が、失踪した想い人を追って渡った佐渡で謎の邪教集団と対決するという、一大伝奇アクションです。
あらすじ
時は一八五二年、将来を誓い合った想い人・青峰信三郎を探して佐渡に現れた女渡世人・羽衣お炎。数年前に突如姿を
黒崎リク『呪禁師は陰陽師が嫌い 平安の都・妖異呪詛事件考』 世間知らず呪禁師と将来の大陰陽師が挑む怪事件
今なお衰えを見せない人気の陰陽師ものの中でも、本作は少々変わり種――というよりも、正確には陰陽師ものではなく呪禁師もの。呪禁の技を操る外法師の青年・竜胆が、若き陰陽師・賀茂忠行に引っ張り回されて都を騒がす怪事件に挑むという、いささかユニークな物語です。
京の外れの化野でひっそりと暮らす青年・竜胆。腕は確かですが人付き合いが苦手の彼は、育ての親であり、数年前に姿を消した千種から伝えられた技で、