じゅもくやん

庭や木が好き。旅をしながらゆるく植物を愛でる。 本業は緑のコンサルタント 兼 樹木医。…

じゅもくやん

庭や木が好き。旅をしながらゆるく植物を愛でる。 本業は緑のコンサルタント 兼 樹木医。 https://twitter.com/jyumokuyan

記事一覧

キクラゲは街路樹の脅威か?(速報)

■目的  Twitter(自称X)界隈やニュースで有楽町駅前の街路樹に発生したキクラゲが話題になっています。これについて、街路樹診断を行ってきた樹木医の意見を記述します…

じゅもくやん
2週間前
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樹木医の解説。根回し。

筆者経歴  緑化コンサル 兼 樹木医。園芸・造園系の大学で学び、今は行政やインフラ企業の緑化を支援をする。/ 東京都などの公園樹木や街路樹を対象に移植の適性度調査な…

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じゅもくやん
3週間前
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樹木医の推し本。テッパン植物形態用語事典編。

筆者経歴  緑化コンサル 兼 樹木医。園芸・造園系の大学で学び、今は行政やインフラ企業の緑化を支援をする。/ 大学時代に専門的な植物図鑑の記述にうんざりしたが、とあ…

じゅもくやん
3週間前
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樹木医の推し本。テッパン樹木図鑑編。

筆者経歴  緑化コンサル 兼 樹木医。園芸・造園系の大学で学び、今は行政やインフラ企業の緑化を支援をする。/ 皇居や御用地といった大規模な樹林で樹種の判別業務に従事…

じゅもくやん
3週間前
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植物を訪ねてShort ~日本最古級の染井吉野~

 日本最古級の染井吉野を見に福島県郡山市の開成山公園を訪れました。手短に紹介します。  以前は1882年に植栽された弘前公園の染井吉野が最古と言われていましたが、近…

じゅもくやん
4か月前
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‘染井吉野’は短命なのか?

はじめに  樹木医が受けて回答に困る質問に、この樹はもう寿命ですかね?という質問があります。枝が枯れ落ち、幹が腐朽してボロボロになった樹木は寿命を迎えたと言える…

じゅもくやん
4か月前
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植物を訪ねて ~五島列島の椿~

 植物をテーマにした旅。今回は日本有数の椿の島、長崎県五島列島を訪ねました。野生のヤブツバキ、全国の半分近くの生産量を誇る椿油、多くの園芸品種を生み出した幻のツ…

じゅもくやん
4か月前
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キクラゲは街路樹の脅威か?(速報)

キクラゲは街路樹の脅威か?(速報)

■目的

 Twitter(自称X)界隈やニュースで有楽町駅前の街路樹に発生したキクラゲが話題になっています。これについて、街路樹診断を行ってきた樹木医の意見を記述します。なお、速報のため粗削りです。

■結論

 基本的にはそれほど注意が必要なキノコ(木材腐朽菌)ではない。ただ、症状が進行すると倒木や落枝に注意が必要になる。

■キクラゲとは

 キクラゲは、キクラゲ科、キクラゲ属のキノコ(担子

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樹木医の解説。根回し。

樹木医の解説。根回し。

筆者経歴
 緑化コンサル 兼 樹木医。園芸・造園系の大学で学び、今は行政やインフラ企業の緑化を支援をする。/ 東京都などの公園樹木や街路樹を対象に移植の適性度調査などを行ってきた。移植の肝となる根回しについて、正しい知識を紹介するためにこの記事を書くことに。

この記事の目的 Twitter(自称:X)にて、「根回し」という言葉の語源として造園の作業が紹介されていました。それらは、「根回し」と「掘

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樹木医の推し本。テッパン植物形態用語事典編。

樹木医の推し本。テッパン植物形態用語事典編。

筆者経歴
 緑化コンサル 兼 樹木医。園芸・造園系の大学で学び、今は行政やインフラ企業の緑化を支援をする。/ 大学時代に専門的な植物図鑑の記述にうんざりしたが、とある本を見るうちに書かれていることがイメージが出来るようになった。その本を紹介するためにこの記事を書くことに。

この記事が有益な方・専門性の高い植物図鑑の記述内容を読解したい方
・植物の形態に詳しくなりたい方
・大学で植物分類学や形態学

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樹木医の推し本。テッパン樹木図鑑編。

樹木医の推し本。テッパン樹木図鑑編。

筆者経歴
 緑化コンサル 兼 樹木医。園芸・造園系の大学で学び、今は行政やインフラ企業の緑化を支援をする。/ 皇居や御用地といった大規模な樹林で樹種の判別業務に従事し、様々な図鑑を使った。その経験から記事を書くことに。ちなみに初めて樹木図鑑を購入したのは7歳の時。

この記事が有益な方・樹木の種類を判別できるようになりたい方
・手っ取り早く図鑑選びの正解が知りたい学生の方
・日本産の樹木を網羅した

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植物を訪ねてShort ~日本最古級の染井吉野~

植物を訪ねてShort ~日本最古級の染井吉野~

 日本最古級の染井吉野を見に福島県郡山市の開成山公園を訪れました。手短に紹介します。

 以前は1882年に植栽された弘前公園の染井吉野が最古と言われていましたが、近年の調査により開成山公園の染井吉野が、1878年(明治11年)に植えられた可能性が極めて高いと判断されて最古級となっています。2024年で146歳になる計算です。
 
 「級」という点がもやもやポイントですが、幹の中心から腐ることの多

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‘染井吉野’は短命なのか?

‘染井吉野’は短命なのか?

はじめに

 樹木医が受けて回答に困る質問に、この樹はもう寿命ですかね?という質問があります。枝が枯れ落ち、幹が腐朽してボロボロになった樹木は寿命を迎えたと言えるのでしょうか?それとも衰えに過ぎないのでしょうか? また、染井吉野の寿命は60年~80年という説が広く知られているせいか、染井吉野は短命だからねと言われることもあります。これは本当なのでしょうか? 今日はそんな染井吉野の寿命についてのお話

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植物を訪ねて ~五島列島の椿~

植物を訪ねて ~五島列島の椿~

 植物をテーマにした旅。今回は日本有数の椿の島、長崎県五島列島を訪ねました。野生のヤブツバキ、全国の半分近くの生産量を誇る椿油、多くの園芸品種を生み出した幻のツバキについて見聞きしてきましたよ。

本稿を一般社団法人 地域緑花技術普及協会のWEBページに寄稿しました。
https://stageforgreen.org/archives/column/

ヤブツバキ

 様々な花姿で人々を楽しませ

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