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2021年3月の記事一覧

私はテレワークに向いていませんでした、という話

私はテレワークに向いていませんでした、という話

会社に戻れてよかった約11ヶ月のテレワークを経て、会社通勤に戻った。安心したというのが率直な気持ちだ。もうこれ以上自宅勤務を続けたら、頭がばかになってしまうのではないかと不安にさいなまれていたところだった。朝起きて着替え、玄関を開けて外に出ることがこれほど大事だとは思わなかった。世間的には今後、テレワークの常態化を推進する流れもあると聞くし、たとえば子育て中の夫婦や、性格的に在宅勤務が向いている人

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父と麻布十番の思い出

父と麻布十番の思い出

私の父は、58歳の時に上京して麻布十番に住んでいたことがある。

生まれ育った地方都市を58年間一度も離れたことがなかった父が、退職の2年前の3月に、東京支社への転勤の辞令が出されたのだ。

「本当に青天の霹靂だったよ。まさか俺が東京なんてさ。」

ずいぶんと興奮した声で、東京に住む私に電話でそう話していたことをよく覚えている。

父は昔から、私や兄が18歳から暮らす東京に遊びにくると、決まって家

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スピッツが好きという話〜暴力性と優しさについての考察〜

スピッツが好きという話〜暴力性と優しさについての考察〜

ロックバンド・スピッツが好きだ。
年齢が一桁の頃から、母親と一緒にカセットテープで聴き始めたから、もう20年以上ずっと聴いていることになる。
10代の後半なんかは、途中でジャニーズやらロキノン系の流行りのバンドやらを気に入って年単位でスピッツのことを忘れたりしたが、そうやって途切れながらも、なんだかんだ今まで聴き続けている。
ほとんど全ての楽曲を口ずさめる音楽グループは、私には他にない。

スピッ

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母の言葉

母の言葉

「他人を羨むことなく、自分だけの人生を自信を持って歩んでください」

これは、私が中学を卒業するときに母からもらった手紙に書いてあった言葉だ。

卒業式当日、教室の外に張り出されていたのは、生徒の親からの手紙だった。壁一面に、これから高校生になる我が子へのエールの言葉がずらりと並んでいた。

周りの友人達の親は、もっと希望に満ちたようなニュアンスの言葉が多い中、母の「他人を羨むことなく」という文字

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コミュニケーションは話の抽象度を合わせる共同作業

コミュニケーションは話の抽象度を合わせる共同作業

何かを伝えるって本当に大変。

会議での一幕。偉い方も出席される会議の中で、担当の方がご自身の担当範囲を結構細かめに話していたんですね。

ただ、ちょっとこれは細いかなーと思って聞いていたら、やっぱり細かすぎると偉い方に途中で止められてしまいました。

結構準備してようだっただけに、心が痛む一幕でした。でもこれって、様々なところで起こっていることだったりしますよね。

何をどこまで伝えるかという

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