和良目 繊月

福岡在住の会社員です。考えることと、本を読むこと、食べること、眠ること、歌うこと、踊る…

和良目 繊月

福岡在住の会社員です。考えることと、本を読むこと、食べること、眠ること、歌うこと、踊ることが好きです。あと猫。日常のことや、思ったこと、考えがまとまらなくて困ってることとかを書きます。

最近の記事

花見に行けなかったので、コロナ禍の桜を詠みました

咲くからに たそ愛でなむと 憂へども つれなく咲きて 舞ふ花桜 せっかく綺麗に咲いたからには誰かに見てもらわないと勿体無いような気がしてしまうけれど、桜自身はそんなことに構わず、いつも通り美しく咲いて散ってしまうのだなぁ みたいな気持ちです。 座ってお酒を飲みながら見上げるのも、お散歩がてら見るのも同じように美しいんですよね、本当は。

    • 推し、燃ゆ。火球、燃ゆ。

      宇佐見りんの「推し、燃ゆ」を読んだ。 流れ星、いやこれは火球だ、と思った。 「キラリと光って消える」なんて生やさしいものじゃない。 天体の寿命から考えたら一瞬とすら言えない刹那、超高温で燃え盛りながら猛スピードで夜空を落下し、派手な音を立てて地面で砕け散る火球だ。 世代や文化の違いを考えると、伝わる相手を超絶選ぶ前衛的なタイトルと内容。 「おし」と聞いて「推し」をきちんと思い浮かべられる人は日本人の何割くらいだろう。 例えば私は、「推し」という単語を知らない自分の母親に

      • もういいよ、いつか言われるその日まで

        かくれんぼを最後にしたのはいつだっただろうか。 少なくとも成人してからは遊んだ記憶がない。 こないだ、小学生くらいの子供がかくれんぼをしているのを見かけた。 10数え終わった鬼役の子が、「もういいかーーい!!」と大きな声で叫んでも誰も返事をしなくて、「あれ、大丈夫かな?他の子はどうしちゃったんだろう」と、勝手に心配してしまった。 最後まで見守ったわけではないので、その子がどうなったのかは知らない。 「もしもう一度かくれんぼをやることになったとしたら、鬼役はやりたくないな。大

        • スピッツが好きという話〜暴力性と優しさについての考察〜

          ロックバンド・スピッツが好きだ。 年齢が一桁の頃から、母親と一緒にカセットテープで聴き始めたから、もう20年以上ずっと聴いていることになる。 10代の後半なんかは、途中でジャニーズやらロキノン系の流行りのバンドやらを気に入って年単位でスピッツのことを忘れたりしたが、そうやって途切れながらも、なんだかんだ今まで聴き続けている。 ほとんど全ての楽曲を口ずさめる音楽グループは、私には他にない。 スピッツを好きな人がその魅力を語るとき、共通して出てくる言葉がある。 それは、歌詞の暴

        花見に行けなかったので、コロナ禍の桜を詠みました

          細い月が笑う夜に久しぶりの再会を

          (大失恋の記事と少し関係があるのでリンクさせたいけれどやり方が分からない。スマホで書いているからなかな。分かったら載せます。一つ前の記事です。) 自分は人を好きになることが少ないな、と思う。 もう少し正確に言うならば、恋愛に発展させたいと思うほど人を好きになることが、最近は少なくなってきた。 友達は、昔から少ないが、それなりにいる。 「私の友達にはいい人しかいないな〜。私は人を見る目があるなぁ〜」なんて自惚れの嘆息さえさせてれる素敵な人たちばかりだ。 仕事仲間にも、尊敬

          細い月が笑う夜に久しぶりの再会を

          大失恋をしました

          昨夜、私は失恋した。 29歳と、1ヶ月と、26日目の夜、家の近くの浜辺で、夜の海を見ながら。 直接話をする勇気の無かった私は、文字でリアルタイムにやり取り出来る文明の利器の便利さに感謝しながら、好きな人にLINEをした。 好きな人は同じ女性で、私も女性だから、世の中に分かりやすく名前を付けるならば、私は同性愛者ということになると思う。 男性ともお付き合いしたことがあるので、またの名をバイセクシャル。 でも私にはそんな呼称はどうでも良くて、ただ一緒にいて心地が良くて、面白

          大失恋をしました

          小さなときから一緒の、少し困った幼馴染みの名前は「不景気」ちゃん

          私は1991年生まれだ。 バブル崩壊のその年に生まれた私たち以降の世代は、物心ついてから1度も好景気を経験していないと言っていいだろう。 それなりの中流家庭に生まれたならば、 親とは子供が将来少しでも困らないように、いい学校に、いい会社に、と先回りをして、どうにかやり繰りをして塾に生かせるものだ。 自分の父親には降りかからなかったとしても、リストラという4文字が平凡な家族をドン底に突き落とす恐ろしい言葉だと知っている。 子供を何人も私立の学校に通わせている家庭はお金持

          小さなときから一緒の、少し困った幼馴染みの名前は「不景気」ちゃん

          滅びゆく文明を文字に遺すというロマン

          突然だが、「滅びゆく文明」とか、「かつて栄えた文明」「〇〇文明滅亡の謎」とか、そういう文字面にロマンを感じないだろうか。 文明とは高度な文化や社会のことらしい。 要するに「高度ってことは頭良くて凄かったのに、なんで滅びたん!?」とか、 「人が一度に沢山死んだのに理由分からんの!?」とか、そういう謎に、私はロマンを抱かずにはいられないようだ。 そしてそれが、私がこの場所に文章を書こうと思った理由のひとつである。 日本に生まれた日本人である私は、日本という滅びゆく文明(国)

          滅びゆく文明を文字に遺すというロマン

          美しくないことの何が悪い

          私は会社員でもあり、ポールダンサーでもある。性別は女性。 昼は会社で働き、夜は接客とダンスでお金を貰う所謂ダブルワークOL。 夜のお店のお客さんは男性メインだが、ポールダンスをあまり知らないお客さんも多い。 ショータイム後に会話をしているとかなりの頻度で 「俺もポール触ってみたいな!」「いやお前が踊るのとか見たくねえよw」 「ていうか、男性のポールダンサーなんているの?」 「男が半裸で踊るとこなんて誰も見たくないでしょw」 「男のポールダンスなんて綺麗じゃないじゃん」

          美しくないことの何が悪い

          「怖くない」が付加価値になる世の中に、私たちは生きている

          去年、仲良しの友人が結婚した。 元々は同じ大学のひとつ年上の先輩だった彼女とはもう10年の付き合いだ。仮にAちゃんとしておこう。 彼女を含む大学時代からの仲良しグループは、メンバーは変われどいつも10人前後でホームパーティーをしたり、夏には泊まりで旅行に行ったりしている。 夏のキャンプには、「Aちゃんキャンプ」と名前が付いているくらいだから、10年もの長い間仲良くいられる友人関係の真ん中で彼女がどれだけ大事な役割かお分かりいただけるだろう。 楽しいことを色々と計画して

          「怖くない」が付加価値になる世の中に、私たちは生きている

          学生時代の恋人がくれた「信仰を持て」という教え

          最近SNSで、「猫好きの人は、猫を信仰の対象として見ているので、信仰を持っていなくても強く生きられる」(うろ覚え)みたいな記事を見かけた。 私も、それはそれは可愛い愛猫と生活しているのだが、もう完全に同意した。 タイトルがうろ覚えなのは、完全同意過ぎて、読む必要もないな!と思って呼んでないからだ。 (読めばよかった、と思ったときには見つけられなくなっていたんです。ごめんなさい。) どんなに仕事がつらくて消耗しても、「早く帰って猫を吸おう」と思うと這ってでも家に帰る活力

          学生時代の恋人がくれた「信仰を持て」という教え