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SF、読書のよろこびマガジン

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大人になってからSFの楽しみを知った人の記録。本が好き、ゲーム興味ないかたはここで。
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2024年2月の記事一覧

【読書】タイトルの由来が驚きの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」

【読書】タイトルの由来が驚きの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」

聞いたことはあるけど内容は知らない話を読むシリーズ。(以前には蠅の王やフランケンシュタインなど読みました)

なんとなく、「郵便配達員が旦那のいない時間に来て奥さんと不倫する話」かと思っていた。
なぜ不倫に関する話なのかは知っていたのか謎でそれは当たってたんだけど、郵便配達員ではなかった。

ストーリー序盤の男女がくっつくまでが、島耕作ぐらいのテンポ感ですすむ。
犯罪歴があってろくでなしの男と、な

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西村亨「自分以外全員他人」で人生からドロップアウトしたくなった思春期に戻る

西村亨「自分以外全員他人」で人生からドロップアウトしたくなった思春期に戻る

たぶんですけど、みんな意味もなく人生からドロップアウトしたいと思った日々があったはず。あっても口にしないだけ。何度も人生が無意味だと思った日があるはず。
年齢を重ねて「しんどいこともあるけど、見たいところも好きな人もいるしボチボチ生きていこう」とか思いながら生きているうちに、若いころの憂鬱なんてなくなって長生きを望むようになるもんだと思う。

「自分以外全員他人」は、若いころからうっすら死にたい気

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【読書記録】丸山ゴンザレス「タバコの煙、旅の記憶」

【読書記録】丸山ゴンザレス「タバコの煙、旅の記憶」

丸山ゴンザレス「タバコの煙、旅の記憶」を買った。
かなり高い国のタバコ一箱ぐらいの値段。

海外の危険地帯ジャーナリストの著者が、タバコに関連した場面について語る。
対応を間違えたら殺される相手とのやりとりの中で、ふっ、とタバコを一本吸って出た言葉。
初めて見る、吸い方のわからないタバコに苦戦していたら通りがかりの男が吸い方を教えてくれて、そのまま持っていかれた話。

ニューヨークやパリの地下都市

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文學界と「女は電子工作できない」の話

文學界と「女は電子工作できない」の話

文學会11月号。
かつて吉本で芸人をやっていた藤原麻里菜さんのエッセイがおもしろかった。
途中で芸人を辞めて「無駄づくり」の話になって、「あの方だ!」と読んでいる途中で気づいた。どこかのバズ動画で目にしたけど、名前で認識していないから。
「初対面の人と思って話していたら、すでに名刺交換した後だった」
みたいな。

R-1グランプリの予選1回戦を突破した話(それでもかなり少数の選ばれし芸人だった)、

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【読書記録】小説すばる2024/2 イノシシとクマの芸風。好きな読みきり「優しくない友達」

【読書記録】小説すばる2024/2 イノシシとクマの芸風。好きな読みきり「優しくない友達」

「小説すばる」に「猪之噛」って巨大イノシシを狩る小説が連載されている。最初は純粋におもしろくて読んでいたけど、
だんだん
「クマとどう差別化していくんだろう」
と考えながら読んでいる自分に気づいた。
別にイノシシも
「あっ!俺、最近ブレイク中のクマと芸風かぶってる!」とか意識しないだろうけど。

直木賞の「ともぐい」だったり「流れ星銀」の最終章が始まったり、時代は クマなのかもしれない。あとリラッ

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