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小説:風船インフィニティ 103-02
「お茶、ご馳走様でした」
急ぎ早に、お茶を飲み干し彼女にお礼を言う。
「こちらこそ、ありがとう。今度お礼に何かご馳走させて」
彼女から、連絡先を受け取り。僕は、そこをあとにした。
幾日か経って、ふと彼女のことを思い出して。連絡をとった。彼女が良く行くという、イタリアで食事をご馳走してもらうことになった。
こじんまりとしたバーカウンターと、小さめの4人がけのテーブルがいくつか。愛想の良さそうな
小説:風船インフィニティ 103-01
彼女は、追いつけるか追いつけないかのスピードで僕の前を走っている。
彼女はとある建物に入っていった。
僕が、諦めて警察署に向かおうとすると。
僕の、横の窓が勢いよく空いた。
窓枠の中に、彼女がいる。
「あ、これ。落とし物です」
彼女は、目を丸くして、こちらを見つめていた。
「目の前で、落とされたんで。追いつけるかなと思ったんですが、なかなか距離が縮まらなくて」
「...ありがとうござい