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恋愛ユニバース 104-03

宇宙人の彼女との関係を続けて、幾月か経った。

いつもの居酒屋に呼び出された。

「インスタグラムは見た?
今日は牡蠣の日よ」

彼女は、生牡蠣にケチャップをかけて食べる。
何度か進められたが、こればっかりは僕には合わなかった。というより、僕は、生牡蠣より牡蠣フライの方が好きだ。

「僕らって、もともと1人じゃなかったっけ?」

「そうよ」

「何故、僕は生牡蠣が苦手で、君は生牡蠣に目が無いんだい?」

「私は、生牡蠣が好きすぎるの。」

そういうことよ。

「あなたの分まで、私が持ってしまったの。
みんな、そういう偏りが、あるのよ。」

「あと。あなたが、おさしみにワサビをこれでもかってつけるのを見ると、私は涙が出そうになるの。
あなたは私の分まで、ワサビを愛しているのよ。
いつか、今度静岡に行きましょうよ」