記事一覧
【小説】痛いの飛んでけ
「いたいのいたいの、とんでけー!」
泣いている幼児に向かって母親が笑い掛ける。
繁華街の中の一幕、それはどこでも見受けられる光景だった。その時である。
「痛ったアアアアアアアアア!!!」
突如脚を負傷したのか、脛を押さえて転げ回る壮年の男性がいた。周囲はそれを見てクスクスと笑う。母親も最初はそれを笑っていたが、男性が泡を吹いて気絶したのを見て慌てて救急車を呼んだ。
【祝】Mの奇妙な物語杯打ち上げ会場【入賞感想ネタバレ有り】
時に西暦2024年6月15日
闘いが幕を開けた。
Mの奇妙な物語杯改めてレギュレーションをおさらいしておきましょう。
一、テーマは「世にも奇妙な物語」。奇妙であれば何でも良い
一、文字数は4,000が上限
一、審査員は職員Mを入れて5人、小説の基礎点として10点満点、その後自分の好みや応援したいという意味で金(5点)、銀(3点)、銅(1点)を投票する
一、審査員が出した作品については基礎点を1
せんべいが攻めてきたぞ!
せんべいが攻めてきた。
東京上空を覆う巨大な円盤。いや巨大な海苔せんべいが現れたのは5月31日の夕方のことであった。巨大な影を作りながら醤油のいい香りに包まれた東京。多くの人々は空を見上げて困惑していた。
立ち並ぶ摩天楼。日本有数のビルの立ち並ぶ大都会の人々は皆一斉に空を見上げている。人々はスマートフォンを空に掲げてぱしゃぱしゃと写真を撮り、国会では海苔せんべいの対策が急ピッチで進められていた
【小説】田町クリーンキャンペーン
「クリーンキャンペーンにご参加の町内の皆様! お忙しい中ようこそお越しくださいました! 本日はどうぞよろしくお願いします!」
初参加となる私はげんなりな表情を発言者こと町長に向けた。誰が喜んで貴重なお休みを自治体のイベントに費やすというのだろうか。まだ寝れる時間だし帰ったら子供の相手もしなくてはいけない。まったく嫌になる。
「カウントダウンいきますよー? 3.2.1...! スタート!」
ク