【小説】道

良いなぁこれ。

私は本屋で一冊の本を見つけ、やがて全方位に道が開けた。

何も決めずに、広がった道を進んだ。私は小人の人生を歩み、エコバッグの人生を歩み、そして缶ビールの人生を味わった。


「私、こんなに美味しかったんだ」

 その言葉だけが消え行く泡と同調していた。

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