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小説が、今の時代にできること(平野啓一郎の新作をめぐって)

小説が、今の時代にできること(平野啓一郎の新作をめぐって)

 変化に合わせて、自分のやっていることの意味の問い直し(アップデート)が迫られている時代だ。

 「本の出版がやりたいことか?」と問いかけ、「物語を世に届けること」だと気づいた。それで、僕は仕事をアップデートするために、クリエーターのエージェント業を始めた。現代アーティストやミュージシャンとは契約しないのか、とよく質問されるのだけど、物語を生み出せるということに重点を置いている。

 平野啓一郎も

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ブックレビュー ロバート・マッキー著『ストーリー』(7)前半 第3部 ストーリー設計の原則 ストーリーの本質 

ブックレビュー ロバート・マッキー著『ストーリー』(7)前半 第3部 ストーリー設計の原則 ストーリーの本質 

更新の間が空いてしまい、申し訳ありません。
『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』のレビュー第七回を投稿します。
(各回をまとめたマガジンはこちらです。)

※これまで1章分ごとにレビューをしてきましたが、第7章にあたる『第3部 ストーリー設計の原則 7 ストーリーの本質』はボリュームが大きいため、投稿を前、後半に分けます。
この投稿は「前半分」です。

※ こちらのレビューは

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優れた編集者は「引き算の技術」「割り算の技術」を持っている

優れた編集者は「引き算の技術」「割り算の技術」を持っている

興味のある情報であるのにも関わらず、その情報量の多さゆえにウッとなってしまうことが、たまにある。

今回は、優れた編集者は、そのウッを「引き算の技術」と「割り算の技術」で上手に取り除いているのではないか、という考察コラムである。

そもそも、そのウッの正体とはなんだろう。

例えば、長野県出身の私は、東京に初めて上京した時、景色の情報量が多すぎてウッ!!!となった。一つ一つの情報が新鮮でキラキラし

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みんなが僕に「ケアが足りない」と言う意味が、ようやくわかった。

みんなが僕に「ケアが足りない」と言う意味が、ようやくわかった。

昔から僕は、「人に対してケアが足りない。佐渡島は人に厳しい」とよく言われる。

でも、僕は僕なりに相手のことを誠実に思い、一生懸命ケアしているつもりだった。

このギャップは、一体どうして生まれるのか?

その長年の謎が、臨床心理学者の東畑さんの新刊『居るのはつらいよ』を読むことで、ようやく理解することができた。

この本は、「ケアとセラピーについての覚書」という副題がついているが、僕が他人に対し

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