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僕の愛する音楽

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#舛田光洋

なんとも変なファンファーレ!「1Q84」で有名になったヤナーチェク、シンフォニエッタ!

なんとも変なファンファーレ!「1Q84」で有名になったヤナーチェク、シンフォニエッタ!

 タクシーのラジオは、FM放送のクラシック音楽番組を流していた。曲はヤナーチェックの「シンフォニエッタ」。渋滞に巻き込まれたタクシーの中で聴くのにうってつけの音楽とは言えないはずだ。運転手もとくに熱心にその音楽に耳を澄ませているようには見えなかった。中年の運転手は、まるで舳先に立って不吉な潮目を読む老練な漁師のように、前方に途切れなく並んだ車の列を、ただ口を閉ざして見つめていた。青豆は後部席のシー

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バッハ、ゴールドベルク変奏曲は、グレン・グールド反逆的な演奏で決まり。

バッハ、ゴールドベルク変奏曲は、グレン・グールド反逆的な演奏で決まり。

 舛田家の朝は、大人たちで、ゆっくりコーヒーを飲むところから始まります。僕にとっては2回目のコーヒーで、ひと仕事終えたあとのブレイクタイムです。

 今日はこの時間にピアノ曲が流れています。
 一度聴いたら忘れられない祈りに満ちたアリアです。

 バッハのゴルトベルク変奏曲です。

 正式名は、「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」といいます。

 1741年に出版とあります

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天才鬼才指揮者テオドール・クルレンツィス、ベートーヴェン第5番「運命」は立って演奏する?

2年連続のレコード・アカデミー賞対象を受賞して天才鬼才指揮者テオドール・クルレンツィスが来日しています。聴きに行きたかったぁ〜この動画はベートーヴェンの5番「運命」を演奏してるんですが、聴き慣れたこの曲を、これほどまでエキサイティングに演奏できるものなのかと驚かせてくれました。なんでこんなにいきいきと演奏できるのかな、え?みんな立って演奏してるからなの?

天才ヴァイオリニスト諏訪内晶子1714製のストラディヴァリウス「ドルフィン」の魔力!を引き出す境地!!

天才ヴァイオリニスト諏訪内晶子1714製のストラディヴァリウス「ドルフィン」の魔力!を引き出す境地!!

諏訪内さんといえば、1990年に史上最年少でチャイコフスキー国際コンクール優勝。

デビュー当初から天才ヴァイオリニストといわれてましたけど、

ここにきて、諏訪内さんの熟成が凄まじい!

これほどまでのヴァイオリニストが日本にいるなんて!と驚いてしまう。

今は完全に、彼女が使用しているヴァイオリン、1714年製のストラディヴァリウス「ドルフィン」と一体化している。ここまで美しく胸に迫る音を引き

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我が家にはもう石炭がありません。ドビュッシー最後の一年

我が家にはもう石炭がありません。ドビュッシー最後の一年

 「ドビュッシー最後の一年 青柳いづみこ著」を読みました。

 昨年2018年は、ドビュッシー没後100年のメモリアルイヤーだったのに〜ああ〜なぜ、ドビュッシーを深めなかったんだろう。
 この本を読んで後悔しました。

 去年は、生誕100年のメモリアルイヤーのレナード・バーンスタインが好きすぎて、彼の自曲演奏会にはかなり足を運んだりして深めているうちに、1年が終わってしまいました。

 ドビュッ

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リストの秘曲は、モーツァルトの秘曲で作られている?

リストの秘曲は、モーツァルトの秘曲で作られている?

 先週は、モーツァルト晩年の短くもとても美しい曲《アヴェ・ヴェルム・コルプス》を紹介しました。今回は、《アヴェ・ヴェルム・コルプス》と関係があるリストのピアノ曲を紹介します。

《システィナ礼拝堂にて》です。

 この曲は、ちょっと変わっていまして、変わっているわりには、それほど有名ではなく、有名ではないのであまり演奏されない、マニアックな曲です。
それでも異様な美しさを放つ曲なんです。秘曲ででき

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はじめてのクラシックコンサートどの席に座る? ぼくは、見たほうがいいからA席と答える。

はじめてのクラシックコンサートどの席に座る? ぼくは、見たほうがいいからA席と答える。

クラシックのコンサートに行きたいのだけど、どの席に座ったらいいのか?

と聞かれると、

僕は、迷わず一番前の席をおススメする。

クラシックのコンサートの座席と値段は、S席8,000、A席6,500、B席6,000、C席5,000、P席4,000となっている。

音が一番バランスよく聞こえるのがS席である。

それで、一番前の席は、S席かというと、そうではなくA席。
だから、音は良くない。
最前

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よく晴れた日曜日12歳のロッシーニ

よく晴れた日曜日12歳のロッシーニ

ある社長さんに頂いたCDはロッシーニが12歳で作曲したソナタだった。

クラシックを聴き始めて間もない頃、ぼくはアルバイトでガラス清掃をしていました。

よく晴れた日曜日、ある会社の社長宅を清掃しに行ったとき、立派な室内に弦楽四重奏曲がかかっていました。

可愛らしく明るく爽やかな曲で、今日のように晴れた日曜日にピッタリの曲だなあと思いました。

聴いているととてもウキウキしてきて、ピクニックに出

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フィリップ・グラスを聴きながら、メガネを外して散歩するとトリップする。

フィリップ・グラスを聴きながら、メガネを外して散歩するとトリップする。

★フィリップ・グラスと散歩
フィリップ・グラスは現代を代表するアメリカの作曲家だ。

グラスというとミニマル・ミュージック代名詞のような存在。彼はその呼び名を歓迎していないみたいだけど、ミニマル・ミュージックとは、ひとつのパターン化されたシンプルな音形を反復させる音楽。グラスの音楽は、ひとつの音形が反復されるが、複雑に広がっていくからミニマルの枠を超えている。オペラからダンスミュージック、映画音楽

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