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留学記 : 版画家が見た素顔のヨーロッパ ベルギー・オランダ・ドイツ・オーストリア写真文集 ペーパーバック – 2024/3/14永井雅人 (著)新発売



私は今、このレポートをベルギーのアントワープからオランダのアムステルダムに向かう特急列車の中で書いている。途中には、私が東京造形大学 3 年生の時に2003 年度の交換留学生として 3 カ月滞在した思い出深い ロッテルダムを通るだろう。
この度の校友会留学奨学生としての私の経験は、おそらくこれまでのどの留学生とも違う特殊なケースだと言えよう。なぜなら留学と言っても、 私はこちらのどの美術大学にも所属していないからである。その代わりに 私は複数の審査を経て、フルタイムアーティストのためのアーティストイ ンレジデンスを 3 つ渡り歩いているのだ。私は既に東京造形大学を卒業し、 多摩美術大学の大学院修士課程も修了している。つまり既に日本で 6 年間 も大学で専門的に美術を学んで来ているのだ。

私はこれからもうどこの美術大学で卒業資格を取得したとしても、作家として生きて行くには語学と 経験以外は残念ながら何の役にも立たないだろう、という結論に思い至っ てしまった。たとえ海外であったとしても大学でフルタイムの作家が学べることは限られている。まして私の専門の版画といった、経験がものを言うような職人的世界ではなおさらのことだ。

こうした美術大学に所属するわけではない私を校友会が奨学生として選考して下さったことに、私は深 く感謝している。過去の前例にとらわれないということは、造形大学なら ではの美点だと思う。
(2008 年の東京造形大学校友会海外留学奨学生レポートより転載)
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  1. 長さ

    1. 135

    2. ページ

  2. 言語

    1. JA

    2. 日本語

  3. 発売日

    1. 2024年

    2. 3月 14日

  4. 寸法

    1. 21.0 x 0.8 x 29.7

    2. cm

  5. ISBN-13

    1. 979-8884817579


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