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読書感想

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読書後の感想をまとめました。
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#書評

大童法慧「坐禅に学ぶ」を読んで

大童法慧「坐禅に学ぶ」を読んで

読み始めたきっかけ

この春、挑戦してみたいことに書いたように、私は坐禅に興味津々です。

前回坐禅体験をしたお寺よりも近場で、定期的に坐禅ができるところが無いかと思案していたところ、ぴったりの場所がありました。
しかも、そのお寺の現住職が過去に書かれた坐禅に関する本があるのを発見。さっそく読みました。

「坐禅に学ぶ」大童法慧

ただ坐り、「いま」・「ここで」自分が自分になることを説いた本。

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佐藤一斎「重職心得箇条」を読んで

佐藤一斎「重職心得箇条」を読んで

背景先週、社内の新任役職者研修に参加した。

研修内のグループ討議では、組織の規模や機能、構成員の多様性、市場の製品サイクルなど、異なる特徴を持つ組織のリーダー達と討議した。それぞれ特有の課題もあったが、同時にいくつか共通項もあるように感じた。それが何なのか、そんな思いで研修を終えた。

そんな中、ある歴史のPodcastで江戸末期の儒学者、佐藤一斎の「重職心得箇条」の話聞き、「これ、今読むタイミ

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梅田悟司「言葉にできる」は武器になる。を読んで。

梅田悟司「言葉にできる」は武器になる。を読んで。

自分の言いたいことが言葉にならない、

相手に自分の言葉が届かない、

想定外の質問に言葉が詰まる、

人を惹きつける文章が書きたい

などの悩みを持つ人に刺さる本だと思います。

一言で言えば、外に向かう言葉の使用におけるテクニックではなく、しっかりと内なる言葉と向き合い意見を育てることが大切であることを説いた本。

内なる言葉・・・物事を考えたり、感じたりする時に無意識的に頭の中で発している不

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マルクス・アウレリウス「自省録」を読んで。

マルクス・アウレリウス「自省録」を読んで。

約2000年の時を経て受け継がれる

哲人皇帝マルクスアウレリウス(121-180)の心の内省録。

ローマ五賢帝のラスト、

平和で安定期の最後の時代、

外敵との争い、

疫病の流行などの社会的不安、

多くの肉親の死など個人的な出来事に対し、

ノートを使い、内省を繰り返すことで、

強く自己を勇気づけ、前に進もうとしている姿が想像されます。

時代を超えて心打つ古典の最高峰。

ストア派ら

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奴隷の哲学者エピクテトス「人生の授業」を読んで

奴隷の哲学者エピクテトス「人生の授業」を読んで

奴隷出身のストア派の哲学者エピクテトスの考えを悩める奴隷の若者ニウスとのやり取りで分かりやすく解説した良書。エピソード漫画→「提要」からの引用→解説の流れでサクっと読めます。以下ダイジェスト。

1.認識を正す

我々次第でないもの(病気、死、貧乏、他人の評価、過去、事実など)と

我々次第のもの(意味付け、意志、行動など)を徹底的に分けて、

後者に意識を向けること。

2.感情の奴隷から脱する

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深井龍之介 「歴史思考」を読んで

深井龍之介 「歴史思考」を読んで

#読書の秋2022

僕たちを悩ませている特定の価値観や考え方から、教養により自由になる。

COTENラジオでおなじみのCOTEN代表深井龍之介さんの初書籍。

教科書の歴史とは異なるユニークで、知的好奇心をくすぐるトークのエッセンスがライブ感そのままに書籍に詰め込まれています。

歴史に興味が無い方でもおもしろく読めて、楽しくそして心が軽くなる本だと思います。

まず歴史思考の本書内での定義。

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