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深井龍之介 「歴史思考」を読んで

#読書の秋2022

僕たちを悩ませている特定の価値観や考え方から、教養により自由になる。

COTENラジオでおなじみのCOTEN代表深井龍之介さんの初書籍。

教科書の歴史とは異なるユニークで、知的好奇心をくすぐるトークのエッセンスがライブ感そのままに書籍に詰め込まれています。

歴史に興味が無い方でもおもしろく読めて、楽しくそして心が軽くなる本だと思います。

まず歴史思考の本書内での定義。

【意味】
歴史を通して、自分を取り巻く状況を一歩引いて、客観的にみること。
【効用】
あなたを苦しめている「当たり前」が当たり前ではないことに気づき、目の前の悩みから解放される。

「年収が高くない」、「会社のポジションが低い」などの社会ステータス

「背が低い」、「目が小さい」などの身体特徴、

「気の合う友人が少ない」、「意見の合わない同僚/上司」などの人間関係。

これらの日々の悩みは、すべて

"今"&"ここ"

の価値観に基づくもの。


この価値観が絶対ではないことを歴史が教えてくれます。

歴史から見れば人生という花火のような刹那で自分の人生を評価し、思い悩むことの無意味さ、価値観は絶対的なものではなく相対的なものであることが知れます。

そして歴史上の偉人といわれる人たちも私たちとよく似た一人の人間であり、その起伏のある人生を知ることでとても人生を前に進める勇気がもらえると間違い無し!

以下に、各偉人たちからの学びを記載します。

【イエスや孔子】

存在しただけで人生は99%成功

実は生前13人しか弟子がいなかったイエス。政治犯で逃亡しながら、自身は著作一つ残さなかった孔子。西洋と東洋を代表する偉人が実は存命中はほとんど評価されていなかった。そこから、今、目に見える成果をだしていなくとも、その存在が誰かに引き継がれ、多くの人の手を経て間接的に世の中に影響を与えることもあることを学べる。そこからは、一人ひとりの形になった"功績"よりも"存在"が大切であることを学んだ。

【ガンディ】

100%完璧な人間なんていない

塩の行進など非暴力・不服従の活動で知られる聖人・ガンディですら、幼少期や青年期はまったく冴えず、聖人となってからも父として、祖父として家族に煙たがられることを知ると、偉人も僕たちと同じでとても親近感が沸く。100%完璧な人間なんていないことを学んだ。

【カーネル・サンダース】

人生のクライマックスまであきらめない

全世界で20,000店舗以上を誇る巨大ファストフード企業の創始者。しかし、その成功は人生の最後の最後に訪れた。今、苦しい。しかし、カーネル・サンダースのように人生の最後まであきらめずに挑戦し続けることで、大きなことを成し遂げられる場合もある。今で判断してはいけない。あきらめず挑戦することの尊さを学んだ。

【アン・サリヴァン】

奇跡の主役は名もなきネイティブアメリカン

ヘレン・ケラーとアン・サリヴァンの起こした”奇跡”も、実は数々の名もなきアンサングヒーロー(無名の歌わない英雄)達のつないだバトンが最終的に実を結んだものである。その点で、誰しもが誰かの名もなきアンサングヒーローとしてかけがえのない存在として等しいことを学んだ。

【武則天】

千年先は分からない

歴史的に政治を乱したよくない評価を受ける武則天。しかし、彼女の謀略・策略の結果、中央集権体制や実力主義が定着し、国家安定の礎を築いた。一つのことも時間軸の尺度の取り方で、その評価は変わりうるため、人生という短い時間尺度の中で、焦って結論を出す必要はないということを学んだ。

【ゴータマ】

特定の価値観への執着をなくせば、自由に解き放たれる

ゴータマ・シッダールタからは、自分の願った通り物事がいかないこと(=執着)が苦の源泉であり、そもそも執着を生む“私”は存在しないから、悩む必要が無い。”私”から自由に解き放たれることが悟りであることを学んだ。


短く学びをまとめましたが、楽しく、ときには笑えるエピソードやイラスト満載のとてもためになる本なので、是非手に取られることを推奨します。



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