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#エッセイ

人と違わなくていい、ただやるべきことをやる。

人と違わなくていい、ただやるべきことをやる。

答えのない問いを追い続ける。「自分とは何か」「生きるとはどういうことか」など、考えてもわからない問いにずっと向かい続ける仏教に夢中なのは、自分の生き方と大きくリンクしていると思ったから。その考えはもちろん今でも変わっていないのだけれど、「自分」に向かう問いがちっぽけに見えてしまうほど大きく、動かしようのない思想があることをドキュメンタリー映画『うみやまあひだ』から学んだ。

伊勢神宮の森を切り口に

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文章にまぐれあたりはないから

文章にまぐれあたりはないから

「どうして、できるのにやらないの」

いつもは温厚な先輩の声が、あきらかに張っていた。スチール机を挟んで座る私の足元の、つま先がこすれたパンプスが見える。夕方6時。もう帰りたいなと思ったときに呼び出された会議スペース。

先輩が言ってるのは、新入社員研修での私の行動のことだ。1か月で新規案件100万円分を受注すること。けして実現不可能な研修ではない。営業部隊なら、きっとどの会社でもある。

「足り

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自分なりの考えは、1枚の紙とペンから生まれる

自分なりの考えは、1枚の紙とペンから生まれる

noteを始める前、私は自分の考えを伝えるのが苦手だった。苦手というよりは、そもそも自分の考えを持っていなかった。

本を読んだり誰かと話をして、「そうなんだ」と思っても、そこで思考停止してしまう。何だろう、あの感覚は。心では動いてほしいと思っている脳が、全く動かないのだ。

そんな私がnoteを始めてから、大きく成長したことがある。それが、普段の生活の中で敏感に何かを感じ、思い、考えられ

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目に映るすべてをインプットに変える技

なんだか釣りタイトルのようなものをつけてしまったけれど、至極まじめに書くので許してほしい。

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パソコンで日記を書き始めたのは、大学時代にヨーロッパをひとり旅したことがきっかけだった。

はたちそこそこの娘がひとりで旅をすることに対し、両親は反対こそしなかったものの、やはり心配しているようだった。そこで毎日のように日記を書き、Dropboxで共有することにした。

旅のあいだは書きたいこと

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ウェットな感性、ドライな感性

ウェットな感性、ドライな感性

受験生のころ、大量の小論文を読んだ。100か200か、数えきれないほど読んだはずなのに、もうほとんど思い出せない。

だけど1つだけ、いまだに妙に心に引っかかって忘れられない文章がある。シェイクスピア研究で有名な中野好夫による、「多すぎる自己没入型」という文章だ。

原典を探したけれどもどうやら古すぎるようで見つけられず、私の記憶と抜粋になることをお許しいただきたい。こんな話である。

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表現力より、さらけ出し力?

文章で特に感じること。表現力はもちろん大事だけど、それ以前の問題として「さらけ出す」力ってかなり大事だよなと、このところ特に思う。

「さらけ出す」の意味は色々あって、必ずしも「私生活を暴露するすべき」だなんて言いたいわけじゃない。

私の思う「さらけ出し力」の一つ目は、「心のうちで自分がリアルに思ってることを言葉にすること」。ふだんから人に合わせるように話をしていると、これが案外むずかしい。

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